バルトロメオ・ヴィヴァリーニ

バルトロメオ・ヴィヴァリーニ（Bartolomeo Vivarini, 1430年頃 - 1491年以降）は、ヴェネツィア派を代表する画家の一人です。兄アントニオ・ヴィヴァリーニ、甥のアルヴィーゼ・ヴィヴァリーニと共に、ヴェネツィアの美術界で重要な役割を果たしました。

生涯

バルトロメオはヴェネツィアで生まれ、兄アントニオの工房で画業を始めました。アントニオとは約10歳差で、バルトロメオは兄の助手として経験を積みました。義理の兄弟には同じく画家であるジョヴァンニ・ダレマーニャがいます。

1447年から、兄アントニオとジョヴァンニ・ダレマーニャは、パドヴァのオヴェターリ礼拝堂でアンドレア・マンテーニャらと共同で仕事をしました。この時、バルトロメオも制作に参加したかどうかは議論が分かれるところですが、ヴィヴァリーニ兄弟の作品にはマンテーニャの影響が見られると指摘されています。

1450年頃には、教皇ニコラウス5世の依頼で、ボローニャのチェルトーザ記念墓地のために多翼祭壇画を制作しました。この作品には、兄弟のサインとともに制作年が記されており、ゴシック様式の影響を強く残しています。この頃から、バルトロメオは徐々に独立して活動するようになり、1450年代の終わりには兄の工房を引き継ぎました。

1480年頃に兄アントニオが亡くなった後は、甥であるアルヴィーゼ・ヴィヴァリーニを指導しました。また、フランドルで油彩技法を学んだアントネロ・ダ・メッシーナから油彩の技術を習得し、1470年代には油彩画を描いた最初のヴェネツィアの画家の一人となりました。

バルトロメオの作品の中で最も新しいものは1491年の日付が記されています。彼の没年は不明ですが、工房は甥のアルヴィーゼが引き継ぎました。

作品の特徴と影響

バルトロメオ・ヴィヴァリーニの初期作品には、ゴシック様式の要素が強く見られますが、次第にルネサンス期の新しい表現を取り入れていきました。特に、アントネロ・ダ・メッシーナから学んだ油彩技法は、彼の作品に深みと写実性を与え、ヴェネツィア派の発展に貢献しました。

彼の作品は、宗教的な主題を描いたものが多く、祭壇画や聖母子像などが代表的です。写実的な描写と繊細な筆致が特徴で、特に人物の表情や衣服の質感の表現に優れています。また、色彩感覚にも優れており、豊かな色彩で作品を彩っています。

主な作品

ボローニャのチェルトーザ記念墓地の多翼祭壇画
その他、宗教画、祭壇画、聖母子像など

参考文献

Giorgio Sinigaglia, De' Vivarini: pittori da Murano, Bergamo, Istituto italiano d'arti grafiche, 1905.
Rodolfo Pallucchini, I Vivarini: Antonio, Bartolomeo, Alvise (Saggi e studi di storia dell'arte; 4), Venezia, Neri Pozza Editore, 1961.
Francesca D'Arcais, Antonio Vivarini (I maestri del colore n.151), Milano, Fabbri, 1966.
Federico Zeri, Antonio e Bartolomeo Vivarini: il polittico del 1451 già in San Francesco a Padova, in Antichita viva n.4, 1975.
Miklós Boskovits, Giorgio Fossaluzza, La collezione Cagnola. I dipinti, Busto Arsizio, Nomos Edizioni, 1998.
Giorgio De Leonardis, Un tesoro d'arte veneto in terra di Calabria. Il trittico di Bartolomeo Vivarini a Zumpano, Bari, Laterza Giuseppe Edizioni, 2010.

バルトロメオ・ヴィヴァリーニは、ヴェネツィア派の初期を代表する画家であり、彼の作品は、その後のヴェネツィア美術の発展に大きな影響を与えました。彼の画業は、15世紀のイタリア美術史において、重要な位置を占めています。

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