バルトロ氷河

バルトロ氷河は、カラコルム山脈の中央部に位置する壮大な氷河です。その源流はシアカンリ峰西方の雪原にあり、そこから西へ、次いで北西へと流れていきます。標高4720mの地点にあるコンコルディアでは、ゴドウィン・オースティン氷河と合流し、その後は北のバルトロ・ムスターグ山脈と南のマッシャーブルム山脈の間を、緩やかな弧を描きながら西へと進みます。氷河の末端は標高3530mの地点に位置する氷舌となっています。

バルトロ氷河の全長は約69km、最大幅は約3kmにも及びます。この氷河は、シガール川水系に属するビアホ川の源流であり、周辺にはビアンジェ氷河、ムスターグ氷河、エルマネンドゥ氷河など、多くの支氷河が存在します。これらの支氷河は、バルトロ氷河の壮大な景観をさらに豊かなものにしています。

バルトロ氷河の探検の歴史は古く、1861年にはインド測量局のゴドウィン・オースティンが、ムスターグ氷河との合流点まで初めて探検を行いました。その後、1892年にはコンウェーがコンコルディアを経てバルトロ・カンリの登頂を試みています。さらに、1902年のエッケンシュタインや1909年のアブルッツィをはじめ、数多くの探検隊がバルトロ氷河を舞台に活躍しました。これらの探検を通じて、バルトロ氷河の地理や地質に関する知見が深まり、その魅力が広く知られるようになりました。

バルトロ氷河は、その壮大さと美しい景観から、多くの登山家や探検家を魅了する場所であり続けています。周辺の山々と氷河が織りなす風景は、まさに自然の驚異と美しさを同時に感じさせてくれます。

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