バルバラ・マティッチ

バルバラ・マティッチ：クロアチア柔道界の至宝

バルバラ・マティッチ（Barbara Matić、1994年12月3日- ）は、クロアチアのスプリト出身の柔道選手です。70kg級を主戦場とし、数々の国際大会で輝かしい成績を収めています。妹のブリギタ・マティッチも78kg級の柔道選手として活躍しています。

幼少期からの柔道との出会い

マティッチは6歳の時に柔道を始めました。早くからその才能を発揮し、2009年には世界カデ63kg級で3位入賞を果たします。翌2010年には、ヨーロッパカデで優勝、ユースオリンピックでは3位に入賞するなど、着実に実績を重ねていきました。

70kg級への階級変更と世界ジュニア制覇

2011年に70kg級に階級を上げると、ヨーロッパジュニアで3位に入賞。2013年には、ヨーロッパジュニアで優勝、世界ジュニアでは決勝で新井千鶴選手に勝利し、見事優勝を果たしました。この時、妹のブリギタも78kg級で銅メダルを獲得し、姉妹揃ってのメダル獲得という快挙を成し遂げました。団体戦でも3位入賞に貢献し、その活躍が認められ、当時の大統領から表彰を受けました。

世界選手権での躍進とオリンピックへの挑戦

2014年の世界選手権では5位入賞、世界ジュニアでは2連覇を達成します。2015年には、妹のブリギタも世界ジュニアで優勝し、姉妹での世界ジュニア制覇という歴史的な記録を打ち立てました。2016年のリオデジャネイロオリンピックでは初戦敗退という苦杯を嘗めますが、地元開催のグランプリ・ザグレブでは優勝を果たし、その実力を示しました。

2017年には、ワールドマスターズで2位に入賞。2018年のグランドスラム・デュッセルドルフでも2位となるなど、世界の強豪としての地位を確立していきます。

世界選手権制覇と東京オリンピック

2021年の世界選手権では、決勝で大野陽子選手を破り、クロアチアの選手として初めてシニアの世界チャンピオンに輝きました。しかし、東京オリンピックでは5位に終わり、メダル獲得はなりませんでした。

世界選手権2連覇とパリオリンピック金メダル

2022年の世界選手権では、決勝で同胞のララ・ツヴェトコ選手を破り、世界選手権2連覇を達成しました。2023年の世界選手権では3位に終わり、3連覇は逃しましたが、同年開催された地元グランプリ・ザグレブでは2位に入賞しました。

2024年は、グランプリ・オディベーラス、グランドスラム・バクー、グランドスラム・トビリシ、ヨーロッパ選手権と立て続けに優勝。そして、迎えたパリオリンピックでは、決勝でドイツのミリアム・ブトケライト選手を破り、金メダルを獲得。クロアチア柔道史上初のオリンピックメダリストという偉業を成し遂げました。

パリオリンピック後の騒動

パリオリンピックでの金メダル獲得という栄光の陰で、準々決勝での勝利後、マティッチの父親が大会ボランティアの女性に同意なくキスをしたとして告訴されるという騒動が発生しました。パリ警察は父親を性的暴行の容疑で逮捕し、パリ検察庁も告訴状を受け取ったことを発表しました。マティッチ本人はこの件に関してコメントを控えています。

主な戦績

2009年 世界カデ 3位（63kg級）
2010年 ユースオリンピック 3位（63kg級）
2013年 世界ジュニア 優勝（70kg級）
2014年 世界ジュニア 優勝（70kg級）
2021年 世界選手権 優勝（70kg級）
2022年 世界選手権 優勝（70kg級）
* 2024年 パリオリンピック 金メダル（70kg級）

今後の活躍

数々の困難を乗り越え、クロアチア柔道界に新たな歴史を刻んだバルバラ・マティッチ。今後の更なる活躍に期待が高まります。

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