バレンシア市街地コース

バレンシア・ストリート・サーキットについて

バレンシア・ストリート・サーキット（Circuito Urbano de Valencia）は、スペインのバレンシア市に位置する公道コースです。このサーキットは、2008年にF1ヨーロッパグランプリの開催地として初めて利用され、以降数年間にわたりレースが行われました。

F1開催の背景

スペイン国内でのF1人気は、フェルナンド・アロンソの活躍によって高まりました。彼の成功を受け、バレンシア市はF1ヨーロッパGPを誘致することとなりました。もともと、カタロニア・サーキットで実施されていたスペイングランプリは、2016年までの契約を結んでいたため、2008年からはスペインにおける2つのグランプリが開催されることになりました。しかし、2012年に起こったスペイン経済の困難さにより、2013年にはヨーロッパグランプリがカレンダーから外されることになりました。将来的には、スペイングランプリとカタロニアサーキットとの隔年開催が報じられましたが、カタロニア側の反対により、その実現は不透明な状況が続いています。

サーキットの構造

このサーキットは、2007年にアメリカスカップが行われたフアン・カルロス1世・マリーナを取り囲む形で設計されました。設計には著名なサーキットデザイナーのヘルマン・ティルケが関わっています。このサーキットは、5.419kmの長さを持ち、全F1開催サーキットで最も多くの25のコーナーが特徴です。ヨーロッパGPは、57周、合計で308.883kmのレースとして実施されます。

経年による変化

2009年には、自転車競技のブエルタ・ア・エスパーニャの第7ステージ・個人タイムトライアルで、このサーキットの一部が使用されました。しかし、2012年以降はサーキットの管理が不十分になり、電気設備の盗難や荒廃が進んでいます。その結果、大半の国際レースが誘致されることが難しくなっています。

コースレイアウト

コースはスタートから1コーナーへと緩やかに右に曲がり、続いて2・3コーナーのシケインで序盤の順位争いが展開されます。続いて加速し、落ち着いた8コーナーを越えると、港の可動橋を渡る場面が特徴的です。直線区間に入ると、各車両は再び加速し、17コーナーのヘアピンから24コーナーへの流れに入ります。

現在の状況

最後のF1レースが行われた2012年以降も、サーキット自体は放置されており、縁石の剥がれや落書きが目立つ状況です。元々ホームストレートがあった場所や可動橋周辺では、一部地域住民が駐車場として利用している場面が見られます。また、まだF1開催時代の広告などが残る場所も存在します。

まとめ

バレンシア・ストリート・サーキットは、歴史あるコースながら、経年によりその管理が困難になり、現在では様々な課題を抱えています。かつての栄光を取り戻すことができるか、今後の動向が注目されます。

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