バロン・オブ・レンフルー

バロン・オブ・レンフルー（Baron of Renfrew）は、スコットランド王国の王位継承権を持つ人物に与えられる称号の一つです。多くの場合、ロスシー公爵の称号と同時に授与されてきました。

その歴史は古く、少なくとも1404年まで遡ることができます。1469年にはスコットランド議会によって継承法が定められ、その法的根拠が確立されました。イングランド王国との合同後は、イギリス王位の法定推定相続人がこの称号を引き継ぎ、現在（2022年）はロスシー公爵であるウィリアム王子が保持しています。

「レンフルー」という地名は、グラスゴー近郊に位置する町の名前に由来します。この町は「ステュアート家発祥の地」と呼ばれることもあり、スコットランド王室と深いつながりを持っています。

イングランドの貴族制度においては、五等爵の第5位にバロン（男爵）が用いられますが、スコットランド貴族ではロード・オブ・パーラメントが相当します。そのため、スコットランドのバロンは貴族（peerage）には含まれないとされています。

しかし、バロン・オブ・レンフルーの地位については議論があり、1469年のスコットランド議会の制定法によって貴族になったとする説や、1603年にスコットランド王ジェームズ6世がイングランド王に即位した後、貴族になったとする説も存在します。イギリス政府の公式見解としては、1999年に貴族院においてモスティンのウィリアムズ卿が答弁した内容に示されるように、バロン・オブ・レンフルーは未だに貴族ではないとされています。

即位前のエドワード7世やエドワード8世は、身分を隠して旅行したり、個人的な支払いをする際に「レンフルー卿（Lord Renfrew）」という名義を使用したことがありました。

考古学者のコリン・レンフルーは、1991年に一代貴族である「ケイムズソーンのレンフルー男爵（Baron Renfrew of Kaimsthorn）」に叙されましたが、この爵位名は彼の姓に由来するものであり、スコットランド王位継承者が帯びてきたバロン・オブ・レンフルーとは関係ありません。

関連称号:
ロスシー公爵
キャリック伯爵
諸島の領主（Lord of the Isles）
スコットランド公およびスコットランド大家令（Prince and Great Steward of Scotland）

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