バンク・オブ・ニューヨーク・メロン

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン (BNYメロン)

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン（BNYメロン）は、アメリカを拠点とした大手金融持株会社です。この金融機関は、2007年7月にバンク・オブ・ニューヨークとメロン・フィナンシャルの合併により設立されました。主な業務は年金運用や信託業務、また上場投資信託を通じた投資信託の運用など多岐にわたります。BNYメロンは、国際的な金融システムにおける中核的な役割を果たしており、特にシャドー・バンキング・システムの国際展開を支えています。

概要

現在、BNYメロンは36か国にオフィスを構え、約47,800人の従業員がグローバルに広がる100以上のマーケットで活躍しています。受託資産は1兆3000億ドルに達しており、ファンドの会計運営や証券のパフォーマンス分析を行うなど、多様な金融サービスを展開しています。また、ユーロクリア・バンクなど国際的なクリアリング業務を手掛けています。

同社のCEOであり会長を務めるチャールズ・シャーフ（Charles Scharf）は、2017年に社長就任後、International Expansion（国際展開）の戦略を強化しています。彼はJPモルガン・チェースやVisaでの豊富な経験を持っており、次期の経営方針に影響を与えています。

経済的背景と課題

世界経済が危機的な状況にある中、BNYメロンは新興市場の開拓に力を入れました。2008年にはブラジルのヘッジファンド、アークス（ARX Capital Management）を買収し、28億ドル以上の受託資産を獲得しました。この動きは、金融危機による新しい機会を示すものと受け取られ、企業の成長を図っています。

しかし、同社は2015年に中東諸国の官僚に対する贈賄が明るみに出て、1500万ドルの罰金を課せられるなど、法的なトラブルにも直面しています。特にブラジルでは、ポスタリスの年金基金に関連する損失が問題視され、ブラジル当局から82億レアル（約25.6億ドル）の返還を求められる事態に発展しました。これらはBNYメロンの国際的な信頼性に影響を及ぼす可能性があります。

証券化と訴訟

BNYメロンは2009年にポーツマス・フィナンシャル・システムズを買収し、その後も機関投資家向けの信託業務や証券化サービスを強化しています。ただし、ドッド・フランク法による規制の影響も受けており、特に海外の業務展開ではその規制を回避するための戦略が必要とされています。他方、BNYメロンはさまざまな訴訟にも巻き込まれており、特に外為取引に関連する訴訟などが注目されています。

現在の位置付け

BNYメロンは、225リバティ・ストリートに本社を構え、持続可能な国際金融サービスを提供するためのポジショニングを確立しています。市場の変化に応じた柔軟な対応や国際的なバリューチェーンの強化など、企業戦略が重要な局面を迎えていると言えるでしょう。このような多面的なアプローチにより、BNYメロンは今後も国際的な金融機関としての地位を維持することが期待されます。

もう一度検索