バンク・ストリート・グラウンズ

バンク・ストリート・グラウンズは、19世紀にアメリカ合衆国オハイオ州シンシナティに存在した野球場です。その短い歴史は、当時の野球リーグの興亡と深く結びついています。

歴史

1880年5月1日、バンク・ストリート・グラウンズはナショナルリーグのシンシナティ・レッドストッキングスの本拠地として華々しく開場しました。しかし、レッドストッキングスは当時のナショナルリーグの規約、特に「日曜日の安息日には球場を開場しない」「球場でのビール販売禁止」といった項目を度重なり違反しました。その結果、レッドストッキングスはその年限りでリーグから除名されるという憂き目に遭います。

1882年、新たな野球リーグ、アメリカン・アソシエーションが設立され、新たに結成されたシンシナティ・レッズがこのリーグに参加しました。ただし、このレッズは前述のレッドストッキングスとは直接的な関係はありません。レッズは2シーズンの間、バンク・ストリート・グラウンズを本拠地として使用しました。

1884年、ユニオン・アソシエーションという別のリーグが誕生し、シンシナティ・アウトロー・レッズというチームが結成されました。当時のレッズとアウトロー・レッズのオーナーを兼任していたジャスタス・ソーナーは、バンク・ストリート・グラウンズのリース権をアウトロー・レッズに与えました。これにより、グラウンドを使用できなくなったレッズは、急遽リーグ・パークという新たな球場の建設を余儀なくされました。

しかし、ユニオン・アソシエーションはわずか1年で解散し、アウトロー・レッズも消滅してしまいました。その結果、1884年10月15日に行われたアウトロー・レッズの最終戦が、バンク・ストリート・グラウンズにおける最後の試合となり、その後、球場は取り壊されました。

バンク・ストリート・グラウンズは、短命ではありましたが、19世紀の野球界におけるリーグの盛衰や、チーム運営の変遷を物語る、貴重な存在であったと言えるでしょう。

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