バンコック・ポスト

「バンコク・ポスト」（Bangkok Post、บางกอกโพสต์）は、タイ王国で発行されている主要な英語日刊新聞です。1946年8月1日に、元アメリカ軍戦略情報局員のアレクサンダー・マクドナルドとプラシット・ルリターノンによって創刊されました。創刊当初は4ページ1バーツで販売されていました。

創刊当時、タイは東南アジアで唯一ソビエト連邦大使館があった国でした。そのため、アメリカ大使館は親米的な主張を行う独立した新聞社を必要としていました。このような背景から、「バンコク・ポスト」はアメリカ合衆国国務省または戦略情報局から資金援助を受けて運営されていたという説もあります。しかし、いずれにせよマクドナルドの運営の下、同紙は自立的な経営を行い、ピーター・アーネット、T.D.アルマンなど、後に国際的に評価を受ける多くの著名なジャーナリストを輩出しました。

1950年代のクーデター後、マクドナルドは退職し、ロイ・トムソンが経営を引き継ぎました。その後、新聞社の株主構成も変化し、セントラル・グループのチラーティワット家、香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト社、タイ最大のメディア・エンターテイメント企業であるGMMグラミー社が主要な出資者となりました。1960年代には、競合紙として英語夕刊紙『バンコク・ワールド』が創刊されましたが、1980年代に『バンコク・ポスト』が買収し、その後まもなく廃刊となりました。

現在、『バンコク・ポスト』は、タイ国内資本による新聞『ネーション』と競合関係にあります。発行部数は7万5千部で、ポスト・パブリケーション社が運営しています。また、日本の朝日新聞とも提携関係を結んでいます。

同紙は、タイの政治、経済、社会、文化に関する情報を、国内外の読者に向けて英語で発信しています。国際的な視点を取り入れた報道が特徴で、タイにおける主要な英語メディアとしての地位を確立しています。オンライン版やモバイル版も展開しており、多様な読者層に対応しています。

外部リンク

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