バンディング (色)

デジタル画像におけるバンディング現象

デジタル画像処理において、グラデーション部分に縞模様のようなアーティファクトが現れる現象をバンディング（Colour banding）と呼びます。これは、色の階調が不連続に変化することで生じる視覚的なノイズであり、夕焼けや朝焼け、澄み渡る青空といった滑らかなグラデーションを再現する際に特に目立ちます。また、画像を大きくぼかした際にも発生することがあります。

バンディングは、トーンジャンプと呼ばれることもあります。類似した現象としてポスタリゼーションがありますが、ポスタリゼーションは意図的に階調を減らすことで表現力豊かな効果を生み出す一方、バンディングは望ましくないアーティファクトです。かつて日本では、バンディングをマッハバンドと呼ぶ慣習もありましたが、これは正確ではありません。

バンディングの原因

バンディングの根本原因は、画像の色深度が不足していることにあります。画像データは、色の明るさや色相を数値で表現しますが、その数値の表現できる範囲（ビット深度）が限られていると、滑らかなグラデーションを表現しきれず、階段状の不自然な縞模様となってしまいます。一般的に、8bitの画像データでは、256段階しか色を表現できません。そのため、微妙な色の変化を表現するには不十分であり、バンディングが発生しやすくなります。

バンディングの対策

バンディングは、単純なブラー処理では解消できません。根本的な解決策としては、より高い色深度で画像処理を行うことです。16bitといった高ビット深度では、8bitに比べてはるかに多くの色を表現できるため、量子化誤差が小さくなり、バンディングが目立ちにくくなります。

素材画像や最終的な出力形式が8bitであっても、画像処理の中間段階で16bitなどの高ビット深度を用いることで、バンディングのリスクを大幅に低減できます。これは、より滑らかなグラデーションを維持したまま、最終的な8bitデータに変換することで実現します。

また、意図的にノイズを加えることで、バンディングを目立たなくする手法もあります。このノイズの追加は、ディザリングと呼ばれる技術の一種です。ディザリングは、隣り合うピクセルの色を微妙に変化させることで、人間の視覚系が複数の階調を認識するように錯覚させる効果があります。これにより、少ない色数でも滑らかなグラデーションを擬似的に表現し、バンディングを軽減することができます。

その他の関連事項

バンディングは、色の量子化という画像処理の基本的な問題に深く関連しています。色の量子化とは、連続的な色の値を離散的な値に変換するプロセスです。このプロセスで情報が失われることでバンディングが発生します。グレースケール画像でもバンディングは発生する可能性があり、デジタルアーティファクトの一種として認識されています。

より高品質な画像を得るためには、画像処理の各段階で色深度を意識し、適切な対策を行うことが重要です。高ビット深度での処理やディザリングなどの技術を適切に活用することで、バンディングを効果的に抑制し、より自然で滑らかなグラデーションを再現することができます。

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