バーチャルネットアイドル

バーチャルネットアイドル（VNI）とは

2001年から2003年頃にかけて、日本で独自の進化を遂げたウェブサイトの形態、それがバーチャルネットアイドル（VNI）です。これは単なるウェブサイトの形式に留まらず、そこに登場する架空のキャラクターそのものを指すこともあります。

VNIの定義

VNIは、「バーチャルアイドルとネットアイドルのあいの子」と定義されています。これは、架空の存在であるバーチャルアイドルと、実在の人物がインターネット上で活動するネットアイドルの要素を組み合わせたものです。多くのVNIウェブサイトでは、アニメ風の美少女キャラクターがサイトの運営者として設定され、日記やニュースなど、様々なコンテンツが提供されました。

VNIの最大の特徴は、その見た目にあります。アニメ風のキャラクターが前面に出ていることが重要で、コンテンツの内容は問われませんでした。この自由度の高さが、VNIというジャンルの多様性を生み出す要因となりました。

VNIの歴史

VNIの歴史は、2001年2月14日に誕生した「バーチャルネットアイドル ちゆ12歳」から始まりました。サブカルチャーや時事ネタを扱った記事が人気を集め、テキスト系サイトのブームに乗って一躍有名になりました。この成功を受けて、多くのウェブサイトが「ちゆ12歳」のスタイルを模倣し、VNIは一つのジャンルとして確立されました。

VNIの増加とともに、その内容は多様化していきました。人気オンラインゲーム「ラグナロクオンライン」の日記を扱うもの、法律に関する記事を掲載するものなど、様々なジャンルのVNIが登場しました。

その火付け役となった「ちゆ12歳」は、ネット上での人気を背景に、2003年には書籍を出版、2005年にはアニメ作品に出演するなど、商業媒体へも進出しました。しかし、VNI全体の勢いは、「ちゆ12歳」の書籍が出版された2003年頃を境に衰退していきました。

主なバーチャルネットアイドル

VNIの中でも特に人気を集めたのが、「バーチャルネットアイドル四天王」と呼ばれるウェブサイトです。ただし、四天王の構成については、「ちゆ12歳」を含める場合と、「ちゆ12歳」を除いて「きょん八丈島の経済通信」を入れる場合があります。

以下に代表的なVNIを挙げます。

ちゆ12歳
777's Loop Light's Loom
米
きょん八丈島の経済通信
ウロンのひとりごと

VNIは、インターネット黎明期の文化を象徴する存在であり、その自由な発想と多様性は、現代のネット文化にも影響を与えています。

参考文献

ちゆ12歳『バーチャルネットアイドル ちゆ12歳』ぶんか社、2002年。ISBN 4821107848。
くぼうちのぶゆき、釜本雪生『テキストサイト大全』ソフトマジック、2002年。ISBN 4-921181-59-4。
ばるぼら『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』翔泳社、2005年。ISBN 4-7981-0657-7。

関連項目

バーチャルアイドル
ネットアイドル
バーチャルYouTuber
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