バーチャルネットアイドルちゆ12歳とは？意味をやさしく解説

バーチャルネットアイドルちゆ12歳

バーチャルネットアイドル「ちゆ12歳」は、2001年 2月14日に開設されたウェブサイト、およびそのサイトで生まれた架空のキャラクターです。2000年代初頭のテキストサイトブームを牽引した存在として知られています。

概要

サイトはピンクを基調としたパステルカラーで彩られ、萌え系のイラストが特徴的です。サイトの管理人は「バーチャルな世界にデータとして存在する電波少女」であるちゆ自身であるという設定で、個人ニュースサイトに近い形式で運営されていました。

「ちゆニュース」を中心に、時事ネタからアニメ、漫画、特撮まで幅広いジャンルを扱い、その深い知識とユーモアあふれる文章で人気を集めました。特に、アメリカ同時多発テロの際には、サイト内の掲示板でリアルタイム中継が行われ、ユーザー間の活発な交流が見られました。

2001年3月から5月にかけて人気が拡大し、テキストサイトのポータルサイト「ReadMe!」のランキングで常に上位を維持。その独特なスタイルは多くのフォロワーを生み出し、「バーチャルネットアイドル」という新たなジャンルを確立しました。

2003年9月には、レンタルサーバー会社との提携によりグッズ販売を行う「ちゆポータル」を開始。しかし、ポータルの更新者が誰であるかという疑問も生じました。

ちゆの活動はウェブサイトに留まらず、「二次元ドリームマガジン」や「ネットランナー」、「B-GEEKS」などの雑誌にも記事を寄稿。特に「ネットランナー」では、フィギュアが制作されたり、オリジナルアニメに登場するなど、メディアミックス展開も行われました。アニメ版では、声優を桃井はるこが担当しています。

商業活動が活発になるにつれて更新頻度は低下しましたが、サイトは開設日であるバレンタインデーとエイプリルフールに更新されています。また、『ちゆ12歳のこんなゼロ年代の歴史が教科書に載るわけがない』という書籍の出版が予定されていましたが、実現には至っていません。

2018年 2月14日には、ウェブサイト上で「生存報告」と題し、「バーチャルYouTuberちゆ12歳」として活動を再開することを発表しました。

作品

著書

『バーチャルネットアイドルちゆ12歳』ぶんか社、2002年

アニメ

『フリージングヴァイブレーション』（第9話エンドカード）2013年

参考文献

くぼうちのぶゆき、釜本雪生『テキストサイト大全』ソフトマジック、2002年
ばるぼら『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』翔泳社、2005年

バーチャルネットアイドルちゆ12歳