バート・ローダッハ

バート・ローダッハ：温泉と歴史が息づく街

バート・ローダッハは、ドイツのバイエルン州オーバーフランケン行政管区、コーブルク郡に位置する都市です。テューリンゲン州との州境にほど近く、コーブルクから北西へ約16kmの場所にあります。ランゲ山地とグライヒ山地に挟まれたローダッハ川沿いに発展し、自然豊かな景観が広がります。

歴史

バート・ローダッハの起源は8世紀後半に遡り、899年には「ラダハ」または「ロタハ」として記録されています。1300年頃にはマルクト広場を中心に都市型の集落が形成され、1362年に市の権利を獲得。1386年には市壁が築かれ、1425年には裁判権も獲得しました。宗教改革の時代には福音派の宗教信条が広まり、1531年からは地方要塞が築かれました。

三十年戦争では、1632年に市は破壊され、1634年には皇帝軍の略奪、1635年には飢饉に見舞われました。しかし、その後再建され、19世紀には初の工業工場も設立されました。1892年には鉄道が開通し、コーブルクとのアクセスが向上。1920年には、コーブルク州がバイエルン州に統合され、ローダッハは郡自由都市の地位を与えられました。第二次世界大戦後、東西ドイツの国境がローダッハを分断しましたが、1989年の国境開放により、再び自由な往来が可能となりました。

温泉の発展

1972年、深さ652mから湧出したバイエルン北部で最も暖かい温泉（34℃）を機に、温泉町としての発展が始まりました。1973年には温水プールが建設され、1981年には州から保養地としての認可を受け、1999年には「薬湯」の承認を得ました。クアパークや温泉療養所などの施設も整備され、1999年には市名が「バート・ローダッハ」に改名されました。

文化と見どころ

バート・ローダッハには、ヴァルトビューネ・ヘルトリット劇場や、自然に囲まれたバート・ローダッハ・ヴァルトバート（森のプール）などの文化施設があります。郷土博物館では、地域の歴史や文化に触れることができます。また、フランツ・ヨシアス公の狩りの城は、現在はホテル兼郷土博物館として利用されています。

宗教

市教会である聖ヨハニス教会は、宗教改革以降は福音派のルーテル教会となっています。市内には他にもルーテル教会や、ローマ・カトリック教会、新使徒教会があります。

経済と社会基盤

伝統的な経済の中心は木材加工、プラスチック加工、玩具製造でしたが、現在では観光も重要な経済部門となっています。HABA（ハバ）やファレオといった地元企業も存在します。

交通

バイエルン州道2205がコーブルクからバート・ローダッハ、テューリンゲンとの州境まで伸びています。鉄道も運行しており、コーブルクとのアクセスも便利です。

バート・ローダッハは、温泉と豊かな自然、そして歴史的な背景が魅力の都市です。保養地として、また観光地として、多くの人々を魅了しています。

もう一度検索