ルーテル教会

ルーテル教会について

ルーテル教会（ルーテルきょうかい）は、マルティン・ルターに基づくキリスト教の教派であり、プロテスタントの一部として全世界に広がっています。推定8260万人の信徒を持つこの教会は、ドイツを発祥の地としており、特に北欧諸国やアメリカなどにも多くの信徒を抱えています。ルーテル教会は、ルター派とも称され、音楽や文化的な側面でも知られています。

名称の起源

ルーテルの名称は、教団の創設者であるマルティン・ルターのドイツ語表記に由来します。日本においては、日本福音ルーテル教会や日本ルーテル教団といった団体があり、これらの名称はルーテル教会の影響を受けたものです。日本の歴史学者たちはしばしば「ルター派」と呼び、この用語は広く用いられています。これに対し、教団関係者は「ルーテル」の名称を用い、独自の出版物でもそれを採用しています。

歴史

1517年、ルターの宗教改革はドイツで始まりました。当初は教会内部の改革を目指していましたが、カトリック教会により破門されたことで、新しい組織の構築が求められました。北欧においては、特にスウェーデンやデンマークでルター派が国教となり、法的権利が認められた後、1555年にはアウクスブルクの和議が結ばれ、ルター派の公式な立場が確立されました。これを受けて、アメリカへも移民による宣教が拡大し、19世紀にはアメリカ中西部を中心に根を張りました。

教会は教育機関や神学校を運営し、アメリカでは880万人の会員を抱えています。南米やアジアにも影響を与え、特にタンザニアやインドネシアには大規模なルター派教会があります。

教義

ルーテル教会は「聖書のみ」「信仰のみ」「恵みのみ」という宗教改革の3原則に基づいています。礼拝においては、聖書の教えと二つの聖礼典、洗礼と聖餐が重視されます。また、信条には使徒信条やニケア信条といった伝統的な信仰文書が採用されています。

音楽と文化

ルーテル教会は音楽面でも非常に重要な役割を果たしてきました。著名な作曲家、例えばJ.S.バッハやメンデルスゾーンはこの教会に属しており、ルター自身も賛美歌の作曲を行ったことで知られています。ルター派の教会音楽は、会衆による賛美歌を中心とし、一般信徒も礼拝に参加できる形式が採用されました。この伝統は今日でも続き、多くの賛美歌が教会で歌われています。

日本のルーテル教会

日本においてルーテル派の活動は1892年に始まり、現在では日本福音ルーテル教会、日本ルーテル教団、西日本福音ルーテル教会などが設立されています。これらの団体は教育機関を持ち、教義を広め続けています。相互に連携した活動を行い、ルーテル教会の精神を日本社会に広めることに努めています。

ルーテル教会は、単なる宗教的な枠を超えて、音楽、教育、文化の面でも広範な影響を持っています。さらに、グローバルな視点から見ると、エキュメニカル運動に積極的に参加し、他の教派との関係も図りながら、教義を基盤としたコミュニティを築いています。

もう一度検索