バームクーヘン (アルバム)

アルバム『バームクーヘン』の詳細

日本のロックバンドTHE HIGH-LOWSが1999年6月9日にリリースした4枚目のオリジナルアルバム『バームクーヘン』は、バンドの音楽的な進化を示す重要な作品です。このアルバムは、前作から1年のブランクを経てのリリースとなり、メンバー自身が初めてセルフプロデュースを行った意欲作であることが特徴です。

録音は、バンドが自operateするアトミック・ブギー・スタジオで行われました。このスタジオは当初「ちんちんランド」という仮名で呼ばれていた場所で、ディレクターやサウンドエンジニアを一切介入させずに、メンバー全員が作業にあたりました。この自由な環境で、各メンバーはドラムの前やギター、ベースのアンプの前にマイクを設置し、甲本が「まわすよー」と掛け声をかけて、一発録りの形式でトラックを録音しました。こうしたアプローチにより、バンドのエネルギーと本気度がダイレクトに伝わる仕上がりになっています。

また、アルバムの収録曲「バームクーヘン」では、キーボードの白井が演奏中にミスタッチをした部分がそのまま収録されており、このような些細な不完全さも作品の魅力となっています。このエピソードは、バンドのレコーディングスタイルを象徴する例となっています。

リリース当初、音楽雑誌『ロッキング・オン・ジャパン』のインタビューでは、収録されている楽曲について語られています。「見送り」や「ハスキー（欲望という名の戦車）」といった曲に関するコメントがあり、その中で真島は「全然切なくしようとなんて思ってないよ、でも結果切なくなったということは…切なかったんだよ（笑）」と返答しています。この言葉からは、バンドの意図や楽曲制作に対する姿勢をうかがい知ることができます。

アルバム収録曲

『バームクーヘン』には以下の楽曲が収録されています：
1. 罪と罰（12thシングル）
2. チェンジングマン（ドラマ『伝説の教師』挿入歌）
3. 二匹のマシンガン
4. モンシロチョウ
5. ハスキー（欲望という名の戦車）
6. ダセー
7. 見送り
8. 死人
9. 彼女はパンク（急いで作った曲）
10. ガンスリンガー
11. 21世紀のフランケンシュタイン
12. ガタガタゴー（真島ボーカル曲。この曲には放送禁止用語が含まれているため、一部にピー音が入る）
13. 笑ってあげる
14. バームクーヘン

参加ミュージシャン

• - 甲本ヒロト：ボーカル、ブルースハープ、ギター
• - 真島昌利：ギター、コーラス
• - 調先人：ベース、コーラス
• - 大島賢治：ドラムス、コーラス
• - 白井幹夫：キーボード

このアルバムは、バンドの成長と新たな表現方法への挑戦の象徴であり、ファンにとっても記念すべき作品となっています。特に封入特典としての「バームクーヘン」特製ステッカーは、ファンの心を惹きつける要素の一つとなっています。

もう一度検索