バーレーワイン

バーレーワインとは

バーレーワインは、19世紀のイングランドで誕生した、アルコール度数の高いエールビールの一種です。その起源は、フランスワインの人気に対抗し、ワインのように長期熟成が可能なビールを開発しようとしたことにあると言われています。

ワインと同様に、熟成期間が長いほど価値が高まるとされ、「麦のワイン」（英語: barley wine）という名が付けられました。しかし、原料はブドウではなく麦芽であるため、れっきとしたビールです。アメリカでは「barley wine-style ales」と呼ばれることもあり、日本の酒税法上もビールとして扱われます。

バーレーワインの特徴

通常のビールのアルコール度数が約5%であるのに対し、バーレーワインは7%から14%程度と高めです。また、出来立てを味わうビールが多い中、バーレーワインは長期熟成させることで、その真価を発揮します。

通常のビールよりも多くの麦芽を使用するため、濃厚で複雑な香りが生まれます。その香りはドライフルーツに例えられ、ウイスキーやブランデーにも似ていると言われます。炭酸は弱めで、長期熟成によって苦味、甘味、アルコール感、エステル香がバランス良く調和します。

熟成期間が通常のビールの6倍以上と長いため、タンクの占有期間や維持管理コストがかさみ、出荷頻度が低下します。そのため、日本でバーレーワインを製造しているメーカーは多くありません。

日本のバーレーワインの例

日本でもいくつかのブルワリーが、個性豊かなバーレーワインを製造しています。

いわて蔵ビール バーレーワイン
那須高原ビール ナインテイルドフォックス
サンクトガーレン エル・ディアブロ
呉ビール 海軍さんの麦酒・バーレーワイン
* ハーヴェスト・ムーンブルワリー バーレーワイン

ウィートワインとは

ウィートワインは、バーレーワインと同様に高アルコールビールですが、主原料が大麦ではなく小麦であることが特徴です。バーレーワインと同様に長期熟成が可能で、1980年代にアメリカで誕生しました。

日本では、サンクトガーレンなどが製造販売しています。

まとめ

バーレーワインは、その名の通りワインのような風格を持つ、奥深い味わいのビールです。長期熟成によって生まれる複雑な香りと、濃厚な味わいをぜひお楽しみください。また、小麦を主原料とするウィートワインも、バーレーワインとは異なる個性的な風味を持っています。

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