パイオニア11号

パイオニア11号について

パイオニア11号は、アメリカ航空宇宙局（NASA）が送った惑星探査機で、1973年4月6日にケープカナベラル空軍基地から打ち上げられました。この探査機は、パイオニア計画の一環として開発され、姉妹機であるパイオニア10号に続く重要なミッションの一部を担っています。パイオニア11号は、世界で二番目の木星探査機であり、初めて土星を探査した探査機でもあります。

探査の道のり

パイオニア11号は、1974年12月4日に木星に接近し、約34,000キロメートルの距離で観測を行いました。この接近は、探査機が木星の重力を利用してスイングバイを行い、土星への道を切り開くための重要なステップだったのです。その後、1979年9月1日には土星に接近し、約21,000キロメートルの近距離で観測を行いました。この際、パイオニア11号は土星の環であるE環、F環、及びG環の存在を発見しました。この発見は、後のボイジャー計画におけるさらなる探査と研究に大きな影響を与えました。

探査機は、1995年末に電力不足から運用を停止するまでに、太陽から約44.7天文単位（au）という位置に達しました。その際、探査機の移動速度は約2.5 au/年でした。この速度を維持した場合、2009年には太陽から約79 auの距離に到達していたと考えられます。更に、2010年4月には、太陽から約80.66 au（120.66億キロメートル）に位置していると推測されています。

探査機の構造と機器

パイオニア11号は、パイオニア10号とほぼ同一の設計を持っており、6角形の形状をしています。その大型パラボラアンテナの直径は2.4メートルあり、これを利用して地球との通信を行います。また、探査機には3本のブームがあり、その先端にはプルトニウム238を使用した原子力電池2基、磁力計が搭載されています。

観測機器としては、磁力計の他に赤外線放射計測器、紫外線計測器、放射線計測器、カメラなどが組み込まれており、様々なデータを収集することが可能です。さらに、姿勢制御のための小型ロケットや、カノープス感知器、太陽感知器が装備されており、精度の高い運用が実現されています。

地球外へのメッセージ

パイオニア11号には、地球外知的生命体へのメッセージと位置づけられる金属板が取り付けられています。この金属板には、人類や太陽系を描いた情報が刻まれており、宇宙を旅する機械に乗せて、地球の存在を示す重要な役割を果たしています。

まとめ

パイオニア11号は、そのミッションを通じて木星や土星の探索を行い、科学的知見を深める重要な役割を果たしました。数々の発見は、後の探査機にとって貴重なデータとなり、今後の宇宙探査における基盤を築くことに貢献しました。

もう一度検索