パインローン駅

パインローン駅（Pinelawn Station）

ニューヨーク州サフォーク郡、メルヴィル南部に所在するパインローン駅は、ロングアイランド鉄道（LIRR）の本線、ロンコンコマ支線上に位置する小規模な鉄道駅です。ウェルウッド・アベニュー（サフォーク郡道3号線）の踏切東側、ロングアイランド・アベニュー沿いにあります。この駅は、近くにあるパインローン墓地やウェルウッド墓地など、複数の墓地への利用客のために設けられました。

歴史

パインローン駅の歴史は、性質の異なる二つの駅舎から始まります。いずれも周辺墓地の利用客への便宜を図る目的で設置されました。

最初の駅は、1895年にウェルウッド・アベニューの南東角に開業しました。当初はリクエスト停車駅である「フラグ・ストップ」として運用され、「メルヴィル」という名称でした。この名前は1897年まで使われ、その後は「パインローン（メルヴィル）」に改称。最終的に1899年には現在の駅名である「パインローン」に統一されました。

二番目の駅舎は1915年に建設され、1925年にウェルウッド・アベニューの南東側に移設されました。この建物は1979年6月に改修されましたが、待合所としての最低限の機能に限定されていました。かつて、ロングアイランド鉄道の本線がロンコンコマ駅まで電化される計画の一環として、この駅は他のいくつかの駅と同様に廃止される危機に瀕しました。しかし、当時活動していたオーウェン・ジョンソン州上院議員とパトリック・ハルピン州下院議員による政党の枠を超えた働きかけの結果、駅は存続されることになりました。そして、その存続が決まった後、1986年には列車の乗降を容易にするための高床式ホームが新たに設置されました。

駅構造

現在のパインローン駅は、単式ホーム一面を備えています。このホームは線路の南側、駅舎の東側に位置しており、有効長は列車の2両分のみです。そのため、駅に到着する列車のうち、最も西側（前方）の2両目に乗車している乗客のみがこのホームを利用することができます。この区間のロングアイランド鉄道本線は単線で運用されています。

パインローン墓地駅

質素な駅舎とは別に、より大規模で凝った造りの駅が、ウェルウッド・アベニューを挟んだ向かい側に存在していました。これは「パインローン墓地駅」と呼ばれ、1904年8月30日に建設されました。この駅舎には高い時計台や、墓地の事務所、礼拝堂、さらにはメインロビーに装飾的な切符売り場まで備えられていました。しかし、この駅は一般の乗客が利用することは一度もなかったと広く信じられています。パインローン墓地駅は、主に墓地関連会社の業務のために利用されていたと考えられていますが、残念ながら1928年4月に火災により焼失してしまいました。ロングアイランド鉄道が電化工事を進めていた1960年代になっても、駅の壁の一部は残存しており、特徴的なアーチ型の入口は1985年までその姿をとどめていたと記録されています。

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