パグウォッシュ会議

パグウォッシュ会議について

パグウォッシュ会議（Pugwash Conferences on Science and World Affairs）は、核兵器や戦争の廃絶を訴える科学者たちによって構成される国際会議です。この会議は、1957年にカナダのノバスコシア州パグウォッシュで初めて開催されました。設立のきっかけは、バートランド・ラッセルとアルベルト・アインシュタインによるラッセル＝アインシュタイン宣言であり、核兵器の脅威に対する強い警告が発せられました。

設立当初の会議には、湯川秀樹や朝永振一郎、そしてマックス・ボルンといった著名な科学者が参加し、全ての核兵器は絶対悪であるとする合意が形成されました。その後の会議では、科学者たちの見解が変わり始め、特に核抑止論との対立が浮き彫りとなりました。1964年の第12回会議では、抑止の原則が全面軍縮に至る最も有用な道筋として認識されるようになりました。

主な出来事と影響

1958年の第3回会議ではウィーン宣言が採択され、核兵器の危険性をさらに広く認識させるきっかけとなりました。また、1961年のソ連の水爆実験再開に抗議する声明が科学者の間で発表されましたが、これがジョセフ・ロートブラットによって握りつぶされるという出来事も起こりました。このような動きは、1970年代に入ると科学者京都会議の設立に繋がり、核廃絶運動の一丁目一番地となります。

1990年にはパグウォッシュ会議がノーベル[[平和賞]]を受賞しました。この年は、日本で開催された会議も含まれており、日本と国際情勢の繋がりを示す重要な瞬間でした。1995年には広島で会議が行われ、多くの参加者が核兵器の廃絶を目指す議題について議論を交わしました。これらの会議は、様々な国の科学者や政治家を巻き込む形で、戦争の危機回避に向けた重要なステップとなっています。

現在の動向

最近の報道によれば、2025年11月1日から5日の間、広島市で第63回世界大会が開催される予定です。これは広島での開催としては20年ぶりであり、日本での開催は通算4回目となります。約40カ国から200人以上の参加者が見込まれ、講演や討論が行われる予定です。特に被爆者たちとの対話も想定されており、「広島宣言」として提言の取りまとめを行う計画です。これにより、パグウォッシュ会議は核兵器の問題に対する国際的な対話の重要な場としての役割を果たし続けるでしょう。

この会議は、国際的な科学者の網を広げ、平和の新たな形を模索し続けています。核軍備の廃絶に向けた取り組みは、科学者コミュニティの連帯を強化し、将来の世代へと繋いでいく重要な基盤となることでしょう。

もう一度検索