パザルジク州

パザルジク州の概要

パザルジク州は、ブルガリア南西部に位置する州で、州都はパザルジク市です。この地域は、標高190メートルから370メートルの範囲に広がり、マリツァ川とその支流であるトポルニツァ川、ルダ・ヤナ川など、豊富な水資源に恵まれています。

産業

パザルジク州の経済は、工業が中心となっています。特に、バタク、ペシテラ、アレコの3つの水力発電所は、合計250メガワットの電力を供給しており、地域経済を支える重要なインフラです。また、パナギュリシテ周辺の鉱山では銅が産出され、ブルガリア国内だけでなく、ヨーロッパ全体への銅供給の重要な拠点となっています。

製造業も盛んで、パザルジク、パナギュリシテ、ヴェリングラトを中心に、鉛蓄電池などの製品が製造されています。ペシテラの薬品工業は1000人を超える従業員を抱えており、地域経済の重要な雇用先となっています。ベロヴォでは製紙業が発達し、バタク、ペシテラ、ラキトヴォ、ヴェリングラトなどのロドピ地方南部では、木材産業が重要な役割を果たしています。

農業もまた、州の中央部を中心に重要な産業です。果物（リンゴ、プラム、イチゴなど）、ブドウ、オオムギ、ライムギ、米などが栽培されており、畜産業は主に山間部で盛んに行われています。

観光

パザルジク州の南部、ロドピ山脈地域は自然観光に適した場所です。針葉樹と落葉樹が織りなす豊かな森林に覆われ、多くの人造湖が点在しています。その中でも最大の湖であるバタク・ダム周辺にはリゾート施設が整備されており、多くの観光客が訪れます。ダム湖では、コイ、ラッド、バーベルなどの魚が生息しており、釣りを楽しむこともできます。

また、ヴェリングラト、ストレルチャ、バニャ、ヴェルヴァラにはリゾート温泉があり、癒しを求める人々にも人気です。ベロヴォ近くの丘陵地には古代の神殿跡が残っており、ツェピナ、バタ、ストレルチャなど各地には古代の集落遺跡が点在し、歴史的な観光スポットとしても楽しめます。

交通と通信

パザルジク州内の道路網は、他の地域と比較するとそれほど発達していません。しかし、トラキア高速道路が州の中央を横断しており、主要な都市間を結んでいます。鉄道網は、ソフィア、プロヴディフと繋がっており、パナギュリシテ、ペシテラへの路線も利用可能です。

通信インフラについては、ブルガリアの他の地域と同様に、全ての街や村で電気、電信、水道網が整備されています。インターネット接続も一部の村で利用可能であり、ほぼ全域で携帯電話が利用できます。

基礎自治体

パザルジク州には、以下の基礎自治体があります。

パザルジク (Pazardzhik)
バタク (Batak)
ベロヴォ (Belovo)
ブラツィゴヴォ (Bratsigovo)
レシチョヴォ (Lesichovo)
パナギュリシテ (Panagyurishte)
ペシテラ (Peshtera)
ラキトヴォ (Rakitovo)
セプテムヴリ (Septemvri)
ストレルチャ (Strelcha)
* ヴェリングラト (Velingrad)

これらの地域は、それぞれの特徴を生かしながら、パザルジク州全体の経済と文化を豊かにしています。

まとめ

パザルジク州は、豊かな自然と歴史、産業の多様性が調和した魅力的な地域です。水力発電や鉱業、製造業、農業、観光など多岐にわたる産業が地域経済を支え、古代の遺跡や温泉リゾートなど観光資源も豊富です。ブルガリアを訪れる際には、ぜひこのパザルジク州の魅力を体験してみてください。

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