パシフィック・コロシアム

パシフィック・コロシアム

パシフィック・コロシアムは、カナダ西部、ブリティッシュコロンビア州最大の都市バンクーバーの北東部に広がるヘイスティングスパーク内に位置する、歴史ある多目的屋内競技施設です。そのアリーナは最大16,150人の観客を収容する能力を持ち、長年にわたり様々なスポーツイベントや大規模な催し物の中心地として機能してきました。

この施設は、かつて北米最高峰のプロアイスホッケーリーグであるNHLに所属するバンクーバー・カナックスの本拠地として、数々の熱戦の舞台となりました。現在は、同じくプロアイスホッケーリーグの一つであるWHL（ウェスタン・ホッケー・リーグ）に加盟するバンクーバー・ジャイアンツの本拠地として、地元アイスホッケーファンに親しまれています。

パシフィック・コロシアムの最も特筆すべき出来事の一つは、2010年に開催されたバンクーバー冬季オリンピックにおいて、主要な競技会場の一つとして重要な役割を担ったことです。この国際的な冬季スポーツの祭典では、芸術性と技術が融合するフィギュアスケート競技と、氷上のスピードと駆け引きが醍醐味のショートトラックスピードスケート競技の会場として使用され、世界中から集まったトップアスリートたちがメダルをかけて競い合いました。

施設のアイスホッケーリンクは、本来、国際スケート連盟（ISU）が定めるフィギュアスケート競技用の国際規格リンクと比較すると、やや小さめに設計されています。このため、そのままの状態では大規模なフィギュアスケートの国際大会を開催するには不向きな側面がありました。しかし、2010年冬季オリンピックという一大イベントを迎えるにあたり、施設は近代的な改修工事を受けました。この改修により、競技の性質に応じて、リンク周囲の前方観客席を可動式とし、リンクスペースを国際規格に準拠した広さに拡張できる機構が導入されたのです。この柔軟な設計によって、フィギュアスケートやショートトラックといった異なるリンクサイズを必要とする競技の開催が可能となり、オリンピック会場としての機能を十全に果たすことができました。

パシフィック・コロシアムは、オリンピック以外にも、歴史に残る様々な大会やイベントの舞台となってきました。例えば、1977年にはNHLのトッププレイヤーが一堂に会するNHLオールスターゲームが開催され、アイスホッケー界のスターたちが華麗なプレーを披露しました。また、若手選手の登竜門として知られるアイスホッケーU20世界選手権も2006年にここで開催され、未来のスターたちが熱戦を繰り広げました。さらに、オリンピック開催に先立つ2009年には、主要な国際フィギュアスケート競技会の一つである四大陸フィギュアスケート選手権が開催され、オリンピック本番に向けた会場の準備と、選手たちの力試しの場となりました。これらのイベントは、パシフィック・コロシアムがカナダのアイスホッケーおよびフィギュアスケート史において重要な位置を占めていることを示しています。

現在も、バンクーバー・ジャイアンツのホームアリーナとして、パシフィック・コロシアムは活気にあふれています。長い歴史を通じて、様々なスポーツやエンターテイメントの舞台を提供し続け、バンクーバーの地域社会にとって欠かせない存在であり続けています。

外部リンク

PNE.ca: Pacific Coliseum
Munsey & Suppes article on Pacific Coliseum

もう一度検索