パステル・デ・ナタ

パステル・デ・ナタとは

パステル・デ・ナタ（pastel de nata）は、ポルトガルを代表するお菓子の一つで、小さなカスタードクリーム入りのタルトです。パステル・デ・ベレン（pastel de Belém）とも呼ばれ、ポルトガルの菓子店やカフェでは定番のメニューとなっています。複数形はパステイス（Pastéis）です。

日本などではエッグタルトという名前で知られていますが、これはパステル・デ・ナタの影響を受けてマカオで生まれたお菓子を指すことが一般的です。

歴史

パステル・デ・ナタは、18世紀以前にリスボンのベレン地区にあるジェロニモス修道院の修道女たちによって考案されたとされています。修道院外で初めて販売を始めたのは、現在も営業している「ベレン洋菓子店」（Casa Pastéis de Belém）です。この店がある地区の名前が、パステル・デ・ベレンという名前の由来となっています。

ポルトガル国外への広がり

パステル・デ・ナタのレシピを習得したイギリス人のアンドリュー・ストウ氏が、イギリス風のカスタードタルトの技術を応用し、砂糖の量を調整するなど独自の改良を加えました。彼はマカオで「ポルトガル風エッグタルト」として販売し、これが人気を博しました。

この成功を受けて、マカオの多くのパン屋、レストラン、茶餐廳が類似のものを製造するようになり、マカオを代表するお菓子として定着しました。また、アンドリュー・ストウ氏の妻もマカオで別の店をオープンさせ、ケンタッキー・フライドチキンの香港支社と提携して販売するなど、広範囲に認知されるようになりました。

1990年代後半には、シンガポール、マレーシア、香港、台湾などでもポルトガル風エッグタルトが販売されるようになり、その人気はアジア各地へと広がりました。

さらに、パステル・デ・ナタはブラジルでも人気があり、現地のファーストフードチェーン「ハビービス」のメニューにも採用されています。

まとめ

パステル・デ・ナタは、ポルトガルで生まれた伝統的なお菓子でありながら、その美味しさが世界中に広まり、様々な形で親しまれています。日本で知られるエッグタルトのルーツとも言えるこのお菓子は、その歴史と味わいを今に伝えています。

関連項目

* メイズ・オヴ・オナー・タルト

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