パソコントラベル探偵団

『パソコントラベル探偵団』は、タツノコプロが1983年に制作し、テレビ東京系列で放送された全26話のテレビアニメです。いのちのことば社が筆頭提供を務めた「聖書アニメ3部作」の最終作であり、シリーズの前作『アニメ親子劇場』からキャラクターが引き継がれ、物語の続編として制作されました。

物語は、主人公の飛鳥悠とその兄である翔、そして仲間たちの大和あずさらが、様々な場所へ旅行しながら、そこで起こる事件や謎を解決していく冒険活劇です。子供向けアニメながら、旅行を通して様々な文化や自然に触れられると共に、友情や家族愛といった普遍的なテーマも描かれています。

主要登場人物として、主人公の飛鳥悠は秋山るなさん、兄の飛鳥翔は向殿あさみさん、そして大和あずさは筒井たかこさんが声を担当しました。前作からのキャラクター変更など、声優陣にも注目が集まりました。また、ゼンマイジカケ役の増岡弘さんをはじめ、個性豊かな脇役たちが物語を彩ります。飛鳥家の家族構成も物語に深みを与え、兄弟間の絆や家族の温かさなど、視聴者に共感できる要素が多数盛り込まれています。

制作スタッフも、日本のアニメ界を代表する錚々たるメンバーが名を連ねています。企画・文芸は柳川茂氏、監修は島村亀鶴氏、チーフディレクターは樋口雅一氏、音楽は千代正行氏など、高い制作クオリティを支えました。キャラクターデザインには下元明子氏、矢沢則夫氏らが参加し、魅力的なキャラクターデザインがアニメーションをさらに盛り上げます。

主題歌も作品の魅力の一つです。オープニングテーマ「パソコントラベル探偵団」は、作詞を荒木とよひさ氏、作曲・編曲をクニ河内氏、歌を大和田りつこさんが担当。エンディングテーマ「リンドンベル・風の唄」は、作詞を荒木とよひさ氏、作曲を緑一二三氏、編曲をクニ河内氏、歌を奥畑由美さんが担当しました。これらの主題歌は、作品の世界観を効果的に表現し、視聴者の記憶に深く刻まれました。2019年には、『青春ラジメニア　30周年記念アルバム　アニソン縦横無尽　ひねくれの帰還』にて、オープニングテーマがCD化されるなど、現在でも根強い人気を誇っています。

放送は1983年4月4日から9月26日まで、毎週月曜17:55～18:25にテレビ東京とテレビ大阪で放送されました。放送終了後も、聖書アニメ3部作として再放送され、長きに渡って多くの視聴者に親しまれました。2007年には、全5巻のDVDが発売され、現在でも入手可能です。

『パソコントラベル探偵団』は、旅行をテーマにした冒険物語、個性豊かなキャラクター、そして魅力的な主題歌など、多くの要素が絡み合い、子供たちに大きな夢と感動を与えた、昭和時代の代表的なアニメ作品の一つと言えるでしょう。その魅力は、時代を超えて多くのアニメファンに受け継がれ、現在でも語り継がれています。

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