パソコン利用技術検定

概要

パソコン利用技術検定（パソコンりようぎじゅつけんてい）は、全国工業高等学校長協会が主催する、コンピュータの応用能力を評価するための検定試験です。この検定は、主に工業高校や商工高校などに在籍する生徒を対象としており、これらの学校が主催団体に加盟しているため、事実上、全国の多くの工業高校生が自身の希望に基づいて受験する機会を得ています。

本検定は、単なるコンピュータ操作にとどまらず、現代の情報化社会において求められる実践的な知識と技能の習得を目指しています。試験は筆記形式と実技形式の二つの要素から構成されており、それぞれの試験科目において70点以上の得点を収めることが合格の基準として定められています。

級別の試験内容

パソコン利用技術検定は、習熟度に応じた3つの級に分かれており、それぞれの級で問われる主要な技術分野が異なります。

3級: 主に文書作成ソフトウェア（ワープロソフト）の基本的な操作方法や、ビジネス文書作成に関する知識が中心となります。
2級: 表計算ソフトウェアを用いたデータの入力、編集、計算、グラフ作成など、データ処理に関する実践的な知識と技能が問われます。
1級: データベース管理システムを用いたデータの構造化、効率的な検索、更新、管理など、より高度な情報管理に関する知識と技術が評価されます。

受験料と学習教材

本検定の受験に際しては、級ごとに定められた受験料が必要です。現在、1級の受験料は1,200円であり、2級および3級の受験料はそれぞれ1,000円となっています。

試験対策のための過去問題集は、本検定の主催団体である全国工業高等学校長協会を通じてのみ入手可能です。過去問題集の価格は、2級・3級用が1,300円、1級用が1,800円で提供されています。なお、1級の過去問題集には、別途500円で実技試験対策に役立つCDも販売されています。

本検定の意義と特典

パソコン利用技術検定の合格は、コンピュータ利用能力を証明する一つの資格として社会的に認知されています。特に、工業高校における教育活動においては、生徒の学習成果として高く評価されています。顕著な例として、優れた活動や成績を収めた工業高校生を対象とする「ジュニアマイスター顕彰制度」において、本検定の合格は取得ポイントとして加算されます。
具体的な加算ポイントは、最高位の1級合格で12点、2級合格で4点、3級合格で2点と定められており、生徒の進学や就職活動において有利に働く可能性があります。

現代社会は加速度的に情報化が進展しており、あらゆる分野でコンピュータを活用する能力が求められています。本検定を通じて培われる知識や技能は、こうしたIT社会で活躍するための基礎力となります。また、本検定の学習内容は、かつて実施されていた国家資格「初級システムアドミニストレータ試験」の一部分野の対策としても有効であると言われており、より専門的なIT分野への興味を持つきっかけともなり得ます。

このような背景から、多くの工業高校では本検定の重要性を認識し、積極的に生徒への受験を推奨しています。学科単位などで組織的な団体受験を実施する学校も多く、生徒の情報処理能力向上と将来の進路選択支援に繋がっています。

関連項目

情報技術検定
日本の検定試験一覧

外部リンク

パソコン利用技術検定

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