全国工業高等学校長協会

公益社団法人全国工業高等学校長協会（全工協会）

公益社団法人全国工業高等学校長協会（略称：全工協会）は、工業科を設置する日本の国公立・私立高等学校の校長を会員とする公益法人です。日本の工業教育の研究および発展に寄与することを目的とし、1956年3月12日に法人として設立されました。

概要

全工協会の会員は、全国の工業高等学校、工業科のある普通高校・職業高校、総合学科のある高校などの校長で構成されています。会員加入は任意であり、工業科を設置していても未加入の高校も存在します。

沿革

全工協会の歴史は古く、その起源は明治時代に遡ります。

1908年（明治41年）：全国工業学校長会が「工業唱歌」を刊行。
1920年（大正9年）：大阪府立商品陳列所の協賛団体として「商工中心会」が創設。全工協会はこれを創立年としています。
1922年（大正11年）：大阪・京都・神戸・名古屋・横浜・東京の六大都市の工業学校長会が発足。
1923年（大正12年）：全国実業教育会が発足（農業・工業・商業・水産業を含む）。
1925年（大正14年）：全国実業学校長会を開催。商工中心会が工業学校用教科書の発行を決定。
1930年（昭和5年）：財団法人「工業教育振興会」を設立し、教科書発行を引き継ぎ、事業を拡大。
1937年（昭和12年）：工業教育振興会の事務所を東京市麹町区に移転。
1947年（昭和22年）：戦後初の全国工業学校長会議が開催され、以後毎年開催。
1948年（昭和23年）：新制高等学校が発足。
1956年（昭和31年）：社団法人「全国工業高等学校長協会」として設立が認可。工業教育振興会は解散。
1968年（昭和43年）：法人事務所として「工業教育会館」を竣工。
1969年（昭和44年）：創立50周年式典を開催。
1979年（昭和54年）：創立60周年式典を開催。
1989年（平成元年）：創立70周年記念式典を開催。麻生太郎文部政務次官らが来賓として参加。
1999年（平成11年）：創立80周年記念式典を開催。
2000年（平成12年）：高校生ものづくり全国大会、ジュニアマイスター顕彰制度が発足。
2009年（平成21年）：創立90周年記念式典を開催。
2010年（平成22年）：工業教育会館改築完工に伴い、事務所を同会館に戻す。
2012年（平成24年）：公益社団法人へ移行。

会員校数

会員校数は年度によって変動がありますが、おおむね600校以上で推移しています。

平成11年度（1999年）：657校
平成16年度（2004年）：658校
平成21年度（2009年）：624校
平成26年度（2014年）：603校

主な事業

全工協会は、工業高校を支援し、工業教育の研究・発展に寄与するため、多岐にわたる事業を展開しています。

検定事業: 基礎製図検定、機械製図検定、パソコン利用技術検定、グラフィック・デザイン検定など、各種検定試験を主催。
顕彰事業: 優秀な教職員・生徒を表彰するジュニアマイスター顕彰制度などを実施。
国際化事業: オーストラリア海外研修事業など、国際交流を促進するプログラムを提供。
広報・刊行事業: 機関誌『工業教育』を刊行し、工業教育の現状や会員校の活動を広報。また、『全国工業高等学校要覧』など、工業教育に関する情報をまとめた出版物を発行。

各種コンテスト（競技会）の主催者にもなっており、工業高校生が参加する大会・検定などを支援しています。

所在地

東京都千代田区飯田橋2-8-1 工業教育会館

関連項目

工業高等学校
日本の工業に関する学科設置高等学校一覧
日本工業教育経営研究会（工経研）
日本工業技術教育学会

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