パックマンvs.

『パックマンvs.』は、ナムコと任天堂が共同で開発した対戦型アクションゲームです。ニンテンドーゲームキューブとゲームボーイアドバンスをGBAケーブルで接続するという、当時としては非常に斬新な方法で実現されました。このゲームは一般販売はされておらず、いくつかの限定的な方法で配布されました。

ゲームの概要

本作は、ナムコ（現バンダイナムコエンターテインメント）の代表作である『パックマン』を、任天堂の宮本茂氏が対戦ゲームとしてアレンジしたものです。2人から最大4人まで одновременно プレイ可能で、プレイヤーはパックマン役1人と、残りのプレイヤーはモンスター（DS版ではゴーストと表記）役として対戦します。

オリジナル版の『パックマン』は、パックマンがモンスターに捕まらないように迷路内のエサをすべて食べることが目的でしたが、『パックマンvs.』では、パックマン役のプレイヤーはオリジナル版と同様に迷路全体を見渡せるのに対し、モンスター役のプレイヤーは自分を含む3体のモンスターを中心とした狭い範囲しか見ることができません。パックマンがモンスターに捕まると、捕まえたプレイヤーにポイントが入り、そのプレイヤーが次のパックマン役になります。これを繰り返し、最初に規定のポイントに達したプレイヤーが勝利となります。

このゲームの最大の特徴は、ゲームボーイアドバンスの画面とゲームキューブの画面で、それぞれ異なる情報が表示される点です。パックマン役のプレイヤーは、ゲームボーイアドバンスの画面でオリジナルの『パックマン』と同様に迷路全体を見ることができます。一方、モンスター役のプレイヤーは、ゲームキューブの画面で自分自身を含む3体のモンスターを中心とした狭い範囲しか見ることができません。この非対称な視点により、モンスター側の数が多いにもかかわらず、ゲームバランスが保たれています。

配布メディア

『パックマンvs.』は、以下のメディアで配布されました。

ニンテンドーゲームキューブ&ゲームボーイアドバンス版
『R:RACING EVOLUTION』同梱版（2003年11月27日発売）
クラブニンテンドー版（2003年12月31日受付終了）

クラブニンテンドー版は、『ポケモンコロシアム』、『マリオカート ダブルダッシュ!!』などのゲームキューブ用ソフトを購入し、クラブニンテンドーに登録したユーザーへの特典として配布されました。
北米版
『パックマンワールド2』廉価版、『I-Ninja』にカップリング収録
ニンテンドーDS版
『ナムコミュージアムDS』（2007年10月11日発売）に収録。
Nintendo Switch版
* 『ナムコミュージアム』（2017年7月28日配信開始）に収録。

歴史

『パックマンvs.』は、2003年5月に開催されたE3任天堂カンファレンスで発表されました。宮本茂氏がパックマンの開発者である岩谷徹氏をゲストに招き、ステージ上でパックマンのリメイクを申し出るというパフォーマンスが行われました。

その後、2007年10月11日に発売された『ナムコミュージアムDS』に収録され、ダウンロード対戦機能により、人数分のニンテンドーDSとソフト1本だけで対戦が可能になりました。

2017年7月28日に配信開始されたNintendo Switch版『ナムコミュージアム』にも収録されています。Nintendo Switchが1台しかない場合は、ゴースト役のみプレイ可能です。Nintendo Switchがもう1台あれば、無料配信の専用ソフト「パックマンvs. 持っている人と対戦版」を使ってローカル通信でプレイできます。

また、2007年6月23日に発売された『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』の対戦モードには、『パックマンvs.』の要素が取り入れられています。

『パックマンvs.』は、そのユニークなゲームシステムと、ナムコと任天堂という二大ゲームメーカーのコラボレーションという点で、ゲーム史に残る作品と言えるでしょう。

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