パッサウ

パッサウの魅力と歴史

パッサウ（Passau）は、ドイツ南東部のバイエルン州に位置する都市です。この街は、オーストリアやチェコとの国境近くにあり、ミュンヘンから電車で約2時間の距離です。その地理的な特徴として、ドナウ川、イン川、イルツ川の3つの河川がひとつの地点で合流していることから、"ドライフリュッセシュタット（Dreiflüssestadt、3河川の街）"という名でも知られています。

この美しい街の面積は69.72平方キロメートル、住民数は約50,000人です。パッサウは、聖シュテファン大聖堂（Stephansdom）で世界最大のパイプオルガンを持つだけでなく、歴史的な「パッサウ条約」が行われた場所としても有名です。

パッサウの歴史的背景

パッサウの歴史は非常に古く、739年には司教座が設置され、740年頃にはニーデルンブルク修道院が建設されました。また、1150年頃にはローマ皇帝フリードリヒ1世が司教区にニーデルンブルク修道院を寄贈しました。1217年にはこの地がパッサウ領主司教国となり、1219年にはオーバーハウス要塞が完成しました。

中世においては、司教とバイエルン公王権の間での権力闘争が繰り広げられましたが、パッサウは都市としても発展し、需要の高い塩の交易で繁栄を極めました。1562年に火災が発生しましたが、その後バロック様式の美しい街並みに再建されました。1984年には日本の秋田市との姉妹都市提携が結ばれています。

文化的な側面

パッサウでは、地域の文化や歴史を深く感じさせる祭りやイベントが多く開催されています。特に1990年に開館した現代芸術美術館や、1985年に設立されたパッサウ・ガラス博物館は、多くの観光客に親しまれています。また、1952年には「ヨーロッパ週間」の芸術祭も行われ、地域の芸術文化が盛況です。

音楽と教育

音楽の面では、パッサウには歴史的に多くの音楽家が住み、活躍しました。特に、ローマ皇帝レオポルト1世の結婚式が行われた1668年の聖シュテファン大聖堂や、後の時代に設立されたパッサウ大学など、教育や文化が育まれてきた環境があります。1982年にはローマ美術館がオープンし、地域の文化的資源はますます豊かになっています。

出身の著名人

この街は、さまざまな著名人も輩出しています。例えば、俳優のクリスチャン・ラブがその一人です。また、ドイツ中世の英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』に関連する伝説的な人物、司教ヴォルフゲル・フォン・エルラに関するエピソードもあり、文学の側面でも注目されています。

結論

パッサウはその自然の美しさや歴史的な背景、文化的な活動から、多くの観光客や学者、芸術家に愛されている街です。特に、3つの川の交わる場所としての地理的特徴と歴史的な建造物が多く存在しており、訪れる人々に深い感動を与え続けています。

もう一度検索