ぱっぷす

ぱっぷす (PAPS) - ポルノ被害者支援のNPO法人

ぱっぷす（People Against Pornography and Sexual Violence、PAPS）は、日本におけるポルノ被害者への支援活動を行う非営利団体（NPO）です。この組織は、ポルノの制作や流通に伴う人権侵害、性暴力、性搾取の問題に対して深く研究し、社会全体への啓蒙活動を通じて解決を目指しています。特に、デジタル性暴力の被害者を支援するための取り組みも行っています。

組織の設立と目的

ぱっぷすは、2009年に「ポルノ被害と性暴力を考える会」として設立されました。当初は主に啓発活動を行っていましたが、2012年からは性的搾取に関する相談支援へと活動を拡大し、2017年にNPO法人としての認証を受けました。2020年10月には、公式名称を現在のぱっぷすに改めました。公式定款の中では、ポルノ被害者への相談支援を行い、ポルノグラフィが引き起こすさまざまな問題について調査・議論し、それに対する社会的訴えを行うことを目的としていると明示されています。

運営体制と収入

運営体制に関しては、創設当初から田口道子氏が理事長を務め、2019年以降は金尻カズナ氏がその役割を引き継いでいます。2024年7月現在では、金尻氏が理事長、岡恵氏、横田千代子氏、常岡裕道氏の3名が理事として活動しています。スタッフとしては、有給が25名、フリーランスが2名います。

主な収入源として、寄付金や助成金があります。近年の不規則な収入状況をみると、2017年度には約1200万円の寄付金を受け取った一方で、翌年度には約200万円と大幅に減少した年もあります。同時に、民間からの助成金も増大しており、特に2020年度には約2400万円の助成金を受け取っています。これらの助成金は、ポルノ被害者の支援を行うために賢く使われています。

歴史的背景

ぱっぷすの活動は、2007年に出版されたアダルトビデオ監督バクシーシ山下氏の著書に対する抗議から始まりました。この書籍の内容が社会問題に発展し、婦人保護施設の関係者や市民活動家たちが集まり、ポルノと性暴力の問題について議論し始めるきっかけとなりました。2009年5月には、こうした活動が公式に結実し、ポルノ被害と性暴力を考える会として設立されました。

2012年からは相談支援活動が始まり、特にアダルトビデオ被害者への具体的なサポートが強化されることとなりました。その後、NPO法人として認証されたぱっぷすは、さまざまな支援や啓発活動を通じて、多くの被害者が声を上げられる環境作りを進めています。特にデジタル性暴力に関する支援センターの設立は、大きな前進とされています。

現在の取り組み

現在、ぱっぷすは、東京都若年被害女性等支援事業を受託し、より幅広い支援活動を展開しています。また、画像削除要請活動や、性暴力被害者への相談窓口を運営しており、全国の被害者が匿名で相談できる場を提供しています。これにより、被害者支援を行うだけでなく、社会全体の意識を変えることを目指しています。

このように、ぱっぷすはポルノや性暴力の問題に真摯に取り組むことで、被害者支援に貢献し続けています。

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