パトリオット・デイ

映画『パトリオット・デイ』の紹介

『パトリオット・デイ』は、2016年に公開されたアメリカのサスペンス映画です。この映画は、2013年に発生したボストンマラソン爆弾テロ事件を題材にしており、事件からたった102時間で犯人が逮捕されるまでの過程が描かれています。この作品の特筆すべき点は、実際の事件を基にしているため、パニックと緊迫感がリアルに伝わってくるところです。

映画のタイトル「パトリオット・デイ」は、アメリカ合衆国のマサチューセッツ州で毎年4月の第三月曜日に祝われる日を示しています。この日にはボストンマラソンが開催され、市民たちが集まる中でテロ事件が発生しました。「愛国者の日」という特別な日が、こうした悲劇と重なる点が、作品にさらなる重みを与えています。

制作背景と公開

監督はピーター・バーグで、彼は『ローン・サバイバー』や『バーニング・オーシャン』など他の有名作品でも名を馳せています。また、主演にはマーク・ウォールバーグが起用されており、彼自身が情熱を注いでこのプロジェクトに取り組んだことでも知られています。
原作はジャーナリストのケイシー・シャーマンとデイヴ・ウェッジが書いた「ボストン・ストロング」という本です。この作品は、米国では2016年12月に一部の劇場で限定公開され、その後、2017年1月には全国的に拡大されました。日本においても2017年6月に公開され、多くの観客に感動を与えました。

あらすじ

物語は2013年4月15日、ボストンマラソンの最中に発生した爆弾テロ事件から始まります。会場の警備を担当していたボストン市警察のトミー・サンダースは、爆発の直後から無線を使って状況を報告し、救助活動に奔走します。事件の捜査が始まり、FBI特別捜査官のリック・デローリエは直ちにテロが行われたことを判断し、捜査を指揮します。 市警とFBIが合同で捜査を進める中、監視カメラの映像から「黒い帽子」と「白い帽子」の2人の男が容疑者として浮上します。

トミーは、彼らの顔写真をすぐに公表するべきだと提案しますが、決定的な証拠がないためリックは慎重になります。しかし、混乱の中で民間の調査機関やメディアが誤った情報を流す事態が発生。これを受けて、FBIはついに実際の容疑者、タメルラン・ツァルナエフとジョハル・ツァルナエフの顔写真を公開します。これがさらなる悲劇を生むこととなります。

タメルランは情報が報道された後、次のテロ行為を企ててニューヨークへ向かいます。その過程で、警告を受けた警察官を襲撃し、逃走します。ダン・マンという中国人留学生を人質にとり、彼を車に乗せますが、ダンは脱出に成功します。その後、警察はダンの通報を受けて、犯人を追跡します。

ウォータータウンでの銃撃戦や、最終的な逮捕劇も緊迫感満載で描かれています。ついにジョハルは、ボートの中に隠れていたところを発見され、逮捕されるに至ります。

エンディング

映画のラストシーンでは、事件の被害を受けた市民や警察官のインタビューと共に、ボストンの人々が「ボストン・ストロング」という言葉で団結する姿が描かれます。特に、第120回ボストンマラソンに参加した義足のランナーの感動的なゴールシーンは、多くの観客の心を打ちます。

この映画は、サスペンスだけでなく、希望や勇気を与えるメッセージも含まれており、観る者に深い感銘を残します。実際の事件に基づくため、そのリアリティがさらに観客を引き付ける要因ともなっているのです。

評価と受賞

本作は、批評家から高評価を受け、Rotten Tomatoesでは80%の評価を獲得しました。また、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞で作品賞トップ10にも選ばれるなど、映画のクオリティの高さが証明されています。

もう一度検索