パトリシア・カース

パトリシア・カース：ジャズとシャンソンの融合、心を揺さぶる歌声

パトリシア・カース（Patricia Kaas）は、1966年12月5日生まれのフランスの歌手です。彼女の音楽は、ジャズとシャンソンの要素を巧みに融合させた、スタイリッシュなポップミュージックとして知られています。その独特な歌声と表現力で、世界中の音楽ファンを魅了し続けています。

生い立ちと音楽との出会い

パトリシア・カースは、フランスのモゼル県フォルバックで、7人兄弟の末っ子として生まれました。父親は炭鉱労働者、母親はドイツ人という家庭環境で育ちました。彼女の母語はプラット語というドイツ語の方言で、6歳までフランス語を話すことができませんでした。母親は早くからパトリシアの歌の才能を見抜き、歌手になることを勧めたと言います。8歳の頃には、シルヴィ・ヴァルタン、ダリダ、ミレイユ・マチューといった歌手の歌を歌い、兄の結婚式では英語の歌も披露したそうです。13歳の時には、兄の紹介でザールブリュッケンのクラブで歌い始め、音楽の道を歩み始めました。

デビューと成功

16歳の時、モデルエージェンシーと契約したことがきっかけで、音楽プロデューサーのベルナール・シュワルツと出会います。1985年、シュワルツの紹介で作詞作曲家のベルンハイムと出会い、俳優ジェラール・ドパルデューのプロデュースで「ジャルーズ Jalouse」でデビューを果たしました。1987年には、ポリドールへ移籍し、シングル「マドモアゼル・シャントゥ・ブルース Mademoiselle chante le blues」が大ヒット。アルバム『マドモアゼル・シャントゥ Mademoiselle chante...』は、フランスのアルバムチャートで2位を獲得し、プラチナレコードに輝きました。この成功を機に、パトリシア・カースは一躍スターダムへと駆け上がりました。

その後の活躍

1990年には、16ヶ月にも及ぶ最初のワールドツアーを敢行し、12カ国196会場で歌いました。その後も、CBSソニーへの移籍、アルバム『セーヌ・ドゥ・ヴィ〜人生のシーン〜 Scène de vie』のリリースなど、精力的に活動を続けました。「セーヌ・ドゥ・ヴィ」ツアーでは、13カ国210会場で65万人の観客を動員し、日本、カナダ、ソビエトを訪れました。2012年には、エディット・ピアフのカバーアルバムを発売し、「ピアフの再来」と称されました。2016年には、13年ぶりとなるオリジナルアルバム『PATRICIA KAAS』をリリース。

日本との繋がり

パトリシア・カースは、日本でも数多くの公演を行っています。1990年の「ヨーロッパのおんなたち Vol. 2」を皮切りに、1994年、2002年、2013年、2014年と、度々来日し、日本のファンを魅了してきました。また、松本幸枝によって、彼女のレパートリーが日本語で歌われ、日本に広められました。

ディスコグラフィ

彼女は数多くのアルバムをリリースしています。

スタジオ・アルバム
マドモワゼル・シャントゥ Mademoiselle chante... （1987年）
セーヌ・ドゥ・ヴィ〜人生のシーン〜 Scène de vie （1990年）
永遠に愛する人へ Je te dis vous （1993年）
ダン・マ・シェール Dans ma chair （1997年）
パスワード Le mot de passe （1999年）
ピアノ・バー Piano Bar （2001年）
Sexe Fort （2003年）
Kabaret （2008年）
カース・シャントゥ・ピアフ KAAS CHANTE PIAF （2012年）
パトリシア･カース PATRICIA KAAS （2016年）

ライブ・アルバム
カルネ・ドゥ・セーヌ Carnet de scène （1991年）
トゥール・ドゥ・シャルム '93〜'94 Tour de charme （1994年）
* ランデブー Rendez-vous （1998年）

まとめ

パトリシア・カースは、その才能、努力、そして何よりも音楽への情熱によって、世界的な歌手としての地位を確立しました。彼女の歌声は、聴く人の心を揺さぶり、感動を与え続けています。これからも、彼女の音楽が世界中の人々に愛され続けることでしょう。

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