パトリック・セルキュ

パトリック・セルキュ（Patrick Sercu）は、1944年6月27日にベルギーのルーセラーレで生まれ、2019年4月19日に74歳で亡くなった、自転車競技界の伝説的な選手です。

トラックレースの王者

セルキュは、特に6日間レースでの圧倒的な強さで知られています。彼は、歴代最多となる88勝を記録し、その記録は現在も破られていません。1965年にはヘント6日間レースで、同じくベルギーの英雄であるエディ・メルクスとコンビを組んで初優勝を飾りました。メルクスとはその後も数々の勝利を重ね、合計15勝をマークしています。

セルキュが6日間レースの王者として君臨したのは、オランダのベテラン選手、ペーター・ポストとコンビを組んだ1960年代後半から1970年代前半にかけてです。経験豊富なポストは、若きセルキュを巧みにリードし、セルキュ・ポスト組はほぼ無敵の強さを誇りました。

ポストが1972年に引退した後も、セルキュは様々な選手とコンビを組み、勝利を重ねました。レネ・パイネン、ディートリッヒ・チューラオ、アルベルト・フリッツといった選手たちとの連携も成功し、1979年のベルリン大会では、ポストが保持していた65勝を上回る66勝目を挙げ、歴代1位に躍り出ました。そして、1983年のコペンハーゲン大会でゲルト・フランクと組んで最後の優勝を飾り、最終的に88勝という偉大な記録を打ち立てました。

オリンピックと世界選手権での栄光

セルキュは、6日間レースだけでなく、他のトラックレースでも輝かしい成績を残しています。1964年の東京オリンピックでは、1kmタイムトライアルで金メダルを獲得しました。また、世界自転車選手権では、プロ・アマを通じてスプリントで3度の優勝を果たしています。

ロードレースでの活躍

セルキュは、ロードレースでもその才能を発揮しました。1974年のツール・ド・フランスでは、ポイント賞を獲得し、オールラウンドな能力を持つ選手であることを証明しました。

引退後

現役引退後は、故郷ベルギーで開催されるゲントとハッセルトの6日間レースで競技運営者として活動しました。彼の情熱は、次世代の選手たちへと受け継がれています。

偉大な記録

現在、現役選手で6日間レースの最多勝利数を誇るのはスイスのブルーノ・リシですが、彼の勝利数は47勝であり、セルキュの88勝という記録を更新する選手は、当分現れないだろうと考えられています。

パトリック・セルキュは、自転車競技界における真のレジェンドとして、その名前は永遠に語り継がれるでしょう。

関連項目
エディ・メルクス

外部リンク
パトリック・セルキュ - サイクリングアーカイヴス（英語）
* パトリック・セルキュ - Olympedia（英語）

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