ポイント賞

ポイント賞（Points Classification）

ポイント賞は、自転車ロードレースのステージレースにおける主要な賞の一つであり、ゴール地点や中間地点での順位に応じて与えられるポイントの合計が最も多い選手に贈られます。総合成績、山岳賞と並び、主要3部門賞として位置づけられています。英語圏では「Sprint Classification（スプリント賞）」と呼ばれることもあります。

概要

ポイント賞がグランツールで導入されたのは、いずれも第二次世界大戦後です。ツール・ド・フランスは1953年、ブエルタ・ア・エスパーニャは1955年、ジロ・デ・イタリアは1966年にそれぞれ設けられました。

トラックレースにもポイントレースという種目がありますが、ポイントの付与方法はほぼ同様です。各コースに設定されたポイント地点とゴール地点で、早く到達した順に高いポイントが付与されます。完走した選手の中で最も多くのポイントを獲得した選手が受賞者となります。特にゴール地点は中間地点よりも高いポイントが与えられるため、ゴール地点での順位が非常に重要となります。

ツール・ド・フランスと2014年以降のジロ・デ・イタリアでは、平坦なステージほど高いポイントが与えられ、難易度の高い山岳ステージではポイントが低く設定されています。そのため、ポイント賞はスプリンター型の選手にとって有利な賞となっています。特に序盤の平坦ステージは、ポイント賞を狙うスプリンターにとって重要な稼ぎどころとなります。

一方、2020年以前のブエルタ・ア・エスパーニャや2013年以前のジロ・デ・イタリアでは、平坦ステージと山岳ステージで与えられるポイントが同じであったため、山岳ステージで上位に入るオールラウンダーやクライマーもポイント賞争いに加わり、時にはポイント賞を獲得することもありました。

平坦ステージでは、ゴール前数キロメートルの大集団による高速走行と、そこからのスプリントが頻繁に発生します。この高速走行は落車を誘発しやすく、大規模な落車に繋がることも少なくありません。ポイント賞争いは、常に事故の危険性と隣り合わせであるという特徴も持ち合わせています。

グランツールのポイント賞に関する記録

通算獲得回数上位選手

エリック・ツァベル（ドイツ）：9回
ツール・ド・フランス：1996, 1997, 1998, 1999, 2000, 2001
ブエルタ・ア・エスパーニャ：2002, 2003, 2004
ショーン・ケリー（アイルランド）：8回
ツール・ド・フランス：1982, 1983, 1985, 1989
ブエルタ・ア・エスパーニャ：1980, 1985, 1986, 1988
ペーター・サガン（スロバキア）：8回
ツール・ド・フランス：2012, 2013, 2014, 2015, 2016, 2018, 2019
ジロ・デ・イタリア：2021
ローラン・ジャラベール（フランス）：7回
ツール・ド・フランス：1992, 1995
ジロ・デ・イタリア：1999
ブエルタ・ア・エスパーニャ：1994, 1995, 1996, 1997

全グランツール受賞達成者

過去5人が達成しています。

エディ・メルクス（ベルギー）
ツール・ド・フランス：1969, 1971, 1972
ジロ・デ・イタリア：1968
ブエルタ・ア・エスパーニャ：1973
ジャモリディネ・アブドヤパロフ（ウズベキスタン）
ツール・ド・フランス：1993, 1994
ジロ・デ・イタリア：1994
ブエルタ・ア・エスパーニャ：1992
ローラン・ジャラベール（フランス）
アレサンドロ・ペタッキ（イタリア）
ツール・ド・フランス：2010
ジロ・デ・イタリア：2004
ブエルタ・ア・エスパーニャ：2005
マーク・カヴェンディッシュ（イギリス）
ツール・ド・フランス：2011, 2021
ジロ・デ・イタリア：2013
ブエルタ・ア・エスパーニャ：2010

グランツールにおけるポイント賞受賞者

※太字は総合優勝&ポイント賞

※斜体太字は総合優勝&ポイント賞&山岳賞

関連項目

ツール・ド・フランス
ジロ・デ・イタリア
ブエルタ・ア・エスパーニャ
グランツール
* 山岳賞

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