パトリック・マッケンロー

パトリック・マッケンローのテニスキャリア

パトリック・マッケンロー（Patrick McEnroe, 1966年7月1日生まれ）は、アメリカのニューヨーク州マンハセット出身の元プロテニス選手であり、男子テニス界で活躍した際には、名選手である兄ジョン・マッケンローの影響を受けながら自らの道を切り開きました。1989年に全仏オープンの男子ダブルスで、アメリカの選手ジム・グラブと組んで優勝を果たし、その後もダブルスで数多くの成功を収めました。彼の最高ランキングはシングルスで28位、ダブルスで3位という記録を残しています。

経歴と初期のキャリア

マッケンロー一家は3人兄弟で、上に2人の兄、ジョンとマイケルがいます。パトリックは末っ子として育ち、幼いころから兄たちとともにテニスに親しんでいました。彼はワールド・チャンピオンシップ・テニス（WCT）のリッチモンド大会で、17歳の時に兄のジョンと共にダブルスで初優勝を飾ります。その後、1984年にはフランスの全仏オープンのジュニア部門で優勝し、さらにウィンブルドンや全米オープンでも一般の男子ダブルスに参加しました。

パトリックはしばらくアマチュアとして活動しながら、スタンフォード大学に入学。大学時代にはテニス選手としての腕を磨き、1986年から1988年までの3年間にわたりNCAAテニス選手権の男子シングルスで連覇を達成しました。1988年に大学を卒業し、プロ選手としての道を歩き始めます。

ダブルスでの成功

パトリックはプロ転向後、1988年の全米オープンで混合ダブルスの準優勝を経験しますが、シングルスでは思うような成果を上げられませんでした。それでも彼は1989年にダブルスのパートナーであるジム・グラブと共に、全仏オープン男子ダブルスで栄光を手に入れます。決勝戦では、イランのマンスール・バーラミとフランスのエリック・ヴィノグラツキ組を破り、ゴールを達成しました。この後、同じコンビでマスターズ・ダブルスでも優勝し、彼らの存在感が際立つ年となりました。

1991年には全豪オープンでシングルスの準決勝進出を果たし、同年男子ダブルスでパートナーのデビッド・ウィートンとともに準優勝に輝くなど、双方向で活躍を見せます。特に、1995年にはオーストラリアのメディバンク国際でシングルス優勝を達成し、全米オープンでもベスト8に入賞するなど、シングルスの実力も証明しました。

日本のトーナメントでも目覚ましい成果を収め、特に1994年のジャパン・オープン、1995年のセイコー・スーパー・テニスでの準優勝は記憶に残ります。この大会は彼にとって最後の出場となるもので、日本のテニスファンにとっても印象深い瞬間となりました。

引退後の活動

1998年、パトリックは32歳で現役を引退。引退後は男子テニス国別対抗戦・デビスカップのアメリカチームの代表監督として活躍を開始しました。彼は、就任から7年目の2007年にアメリカチームを12年ぶりのデビスカップ優勝に導くなど、監督としての手腕も発揮しました。彼のテニス界への貢献は選手としてだけに限らず、指導者としても続いています。2010年には退任後、全米テニス協会で選手育成に関わる重要な役割を担っています。

パトリック・マッケンローは、テニス界における彼自身の功績によって、テニスの歴史に確かな足跡を残しました。彼のキャリアを通じて、選手としての道だけでなく、指導者としての成功にも光が当たります。このように、彼の功績は今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索