パドック

パドックについて

パドック（Paddock）は、競馬場において競走馬が出走前に見られる場所として設けられています。この設備は、競走馬が本馬場に入場する前に、厩務員に引かれてじっくりと周回し、観客が馬体の状態を確認できるように工夫されています。このパドックの役割は、馬を落ち着かせ、同時にファンがそれぞれの馬を観察する機会を提供することです。

パドックの概要

もともと、パドックとは馬小屋の近くに設けられた小さな放牧地を指す言葉です。競馬場のパドックでは、競走馬が数周回をしながら、競馬ファンや専門家にその姿を見せます。その際に馬の体調や動きなどがじっくりと観察されるため、ファンにとって重要な体験となります。意外にも、競馬場のパドックは事故が起こりやすい場所でもあり、観客や騎手は馬を驚かせないよう十分に注意を払わなければなりません。

競馬だけでなく、ドッグショーやキャットショーといった品評会でも出陳者の控え場所として「パドック」という用語が使われることがあります。また、第二次世界大戦中のイギリスの戦争司令部を示す場合にも「パドック」という名前が使用されました。

各国のパドック

競馬場のパドックは国によって異なる呼称があり、アメリカでは「パドック」、イギリスでは「パレードリング（Parade Ring）」と呼ばれています。アスコット[[競馬場]]などでは、パレードリングとプレパレードリングの2つのエリアが設置され、競走馬はレースの25分前にプレパレードリング、15分前にパレードリングに登場することが一般的です。

日本の競馬場では、地方競馬などではパドックと本馬場が馬道でつながっていますが、中央競馬の大規模な競馬場では地下馬道で連結されています。特に笠松競馬場はユニークで、ホームストレートの内馬場側にパドックが設けられています。騎手が本馬場に入場する際、最後の一周を行い、そこで馬の状態を最終確認します。

歴史と変遷

日本におけるパドックの歴史は古く、1908年まで設置が義務ではありませんでした。ただし、1907年にはパドックが整備され、その後競馬場のメインスタンド裏などにパドックが設けられました。それ以降、パドックは競走馬にとって、出走前の大事な準備の場となりました。

パドックでの注意点

競馬のパドックは馬と人間の両方にとって重要な場所であり、観客は馬を驚かせないようにすべきです。大声を上げたり、フラッシュ撮影をすることで馬が興奮し、事故が起こることがあります。こうした理由から、最近では多くの競馬場で「フラッシュ撮影禁止」の看板が設置されています。

パドックは、ただの準備の場所ではなく、馬と観客が向き合い、コミュニケーションを図る大切なゾーンです。競馬を楽しむために、パドックを正しく利用し、馬に対してリスペクトを持つことが求められます。

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