パナマ・ビエホとパナマ歴史地区

パナマ・ビエホとパナマ歴史地区

パナマ・ビエホとその周辺地域は、中米パナマの首都パナマ市の東側に位置する、ユネスコが登録した歴史的な世界遺産です。この地域は、植民地時代の重要な文化を反映する貴重な建造物の遺構が多数存在し、パナマ市の歴史を語る鍵となっています。

世界遺産としての登録

パナマ・ビエホは2003年にユネスコの世界遺産に登録されました。これは、同市内に位置するカスコ・ビエホの世界遺産登録を受けて再登録されたものであり、国際的な文化財としてその価値が認められた結果です。さらに2025年には、パナマ地峡周辺の6つの文化資産が「パナマの植民地時代の地峡横断道路」として新たに世界遺産として認定されるに伴い、パナマ・ビエホとパナマ歴史地区もその一部に統合されました。

登録基準

この遺産は、ユネスコが設定した2つの基準を満たしています。まず、(2)においては、ある文化圏の中での人類の重要な交流を示すものとして評価され、次に(4)は、人類の歴史において重要な時代の建築様式や技術の傑作とされている点が挙げられます。

パナマ・ビエホ財団とその役割

パナマ・ビエホ財団は、2003年の世界遺産登録を前に設立された非営利団体で、パナマの文化財の保護と管理を目的としています。政府関連機関や国際的な奉仕団体、民間銀行と協力して、280,000平方メートルもの広大な地域を管理しています。この地域は歴史公園として整備されており、至る所に貴重な文化財が埋蔵されています。

この財団はまた、歴史公園内の古建物の発掘や保存作業を行い、過去の町並みの復元を目指しています。2006年には考古学や建築学に関する研究紀要を発表し、その成果を広めています。

付属博物館と観光情報

パナマ・ビエホには観光客向けのセンターが設置されており、博物館は火曜日から日曜日の午前9時から午後5時まで開館しています。入場料は大人が博物館3ドル、遺跡公園4ドル、共通券6ドルで、年齢により割引も用意されているため、手軽に訪問することが可能です。

観光名所と主な建物

大聖堂

この地域のシンボルとなる大聖堂は、南北に55メートル、東西に35メートルの規模を持つ壮大な建物です。最初は小さな木造の構造でしたが、後に石造りに改築され、現在も多くの観光ガイドに紹介されています。大聖堂の周辺は中央広場と呼ばれ、歴史的な蜜蜂の中心地です。

コンパニア・デ・ヘスース修道院

この修道院は16世紀後半から17世紀にかけて建設され、現在でも多くの顕著な建築遺構が残っています。元々はイエズス会の寺院として、数か所の礼拝施設が存在していたことが記録されています。

サン・フランシスコ会修道院

大聖堂の南西に位置するフランシスコ会の男子修道院も重要な文化財です。建物が長大なのが特徴であり、この地域の歴史と宗教文化の理解を深めるための貴重な資源となっています。

町の歴史と滅亡

パナマ・ビエホは1513年に設立され、当初は300人ほどの小さな町から成長しましたが、1671年には海賊の襲撃によってほぼ壊滅状態に陥りました。その後、町は復興されること無く、新しい町がカスコ・ビエホ地区に移転することとなりました。この移転の際には、多くの歴史的建物から材料が運び出され、再利用されました。

現在では、パナマ・ビエホとその歴史地区が保存され、観光資源としても活用される中で、過去の栄華を語る貴重な遺構となっています。

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