ハニ語

ハニ語：言語概要と方言区分

ハニ語は、中国雲南省南部に居住するハニ族、およびミャンマー東部のシャン州、ラオス、タイ、ベトナム北部に居住するハニ族によって話される言語です。この言語は、シナ・チベット語族のチベット・ビルマ語派、さらにロロ・ビルマ語群に分類されます。

ハニ語の主要方言

ハニ語は、大きく分けて以下の3つの方言に分類されます。

1. 哈雅方言（ハカ方言）

哈尼下位方言：主に雲南省中南部に分布し、紅河ハニ族イ族自治州の紅河県、元陽県、緑春県、金平ミャオ族ヤオ族タイ族自治県などで話されています。話者数は約70万人。ベトナム北部に約1万人、ラオス東北部に約700人の話者が存在します。
雅尼下位方言（阿卡語）：雲南省西南部の山岳地帯に約30万人の話者がいます。シーサンパンナ・タイ族自治州やミャンマーにも少なくとも20万人の話者がおり、タイとラオスにはそれぞれ約6万人の話者がいます。これらの人々は、約400年前に雲南省中南部から移住してきたと考えられています。

2. 豪白方言（カベ方言）

雲南省中北部、および哈尼下位方言が話されている地域の西北部、墨江ハニ族自治県、元江ハニ族イ族タイ族自治県、寧洱ハニ族イ族自治県などで話されており、話者数は約12万人です。豪尼下位方言、白宏下位方言に細分化されます。

3. 碧卡方言（ビカ方言）

雲南省西南部におよそ30万人の話者がいます。碧約下位方言（12万人）、卡多下位方言（18万人）、峨努下位方言（1万人）に細分されます。


哈雅方言と豪白方言の間には、比較的小さな差異が見られます。

参考文献

* 李永燧・王尔松(1986)『哈尼語簡誌』中国：民族出版社

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