パパ/ずれてるゥ!

映画『パパ/ずれてるゥ!』の概要

『パパ/ずれてるゥ!』（原題: Taking Off）は、1971年にアメリカで公開された映画であり、監督はその後多くの名作を手掛けることになるミロス・フォアマンです。フォアマンにとってはアメリカに移住してから初めての監督作品であり、カンヌ国際映画祭では審査員特別グランプリを獲得しました。この作品は、家族や若者の葛藤を通じて、サブカルチャーの影響を描いています。

あらすじ

この映画の主人公、ジーニーは歌手を夢見る若い女性です。彼女は、オーディションに参加するために家族に内緒で外出しますが、その行動が母親リンを心配させる結果となります。夫ラリーは、妻から娘を探すよう頼まれるも、酒に酔った状態での帰還となり、ジーニーに対して暴力を振るってしまいます。これによってジーニーは再び家を出る決意を固めます。

ジーニーの家出に困惑した両親は、「家出少年少女の親の会」に参加することを決意します。この集まりでは、他の親たちとともに、家出した子どもたちの心情を理解しようと試みます。彼らは、マリファナを試してみることで気持ちを解放し、なんともコミカルで大人の関係の悩みを再認識することになります。そして、マリファナの影響でおかしくなった二人は、他の参加者と共にストリップ・ポーカーを楽しむことに。そこに、帰ってきたジーニーが登場し、親たちの滑稽な状況が引き起こす滑稽な展開が繰り広げられます。

キャスト

本作品には、日本語吹替キャストとして1982年に放送された『2時のロードショー』において、寺島幹夫、石森達幸、鳳芳野、高橋ひろ子、片岡富枝などが声の出演をしています。映画内では、キャシー・ベイツやカーリー・サイモンといった著名な歌手が自作の楽曲を披露しており、彼らのパフォーマンスは映画の印象を強めています。さらに、無名だったジェシカ・ハーパーも登場し、彼女のキャリアのスタートを知る貴重な資料ともなっています。

その他の情報

『パパ/ずれてるゥ!』は、1967年にビートルズが発表した楽曲「シーズ・リーヴィング・ホーム」からインスパイアを受けて製作されたといわれています。また、オーディションシーンで使われる楽曲「Let's Get a Little Sentimental」は、ザ・モンタナズによって1970年にリリースされました。この曲の作詞作曲に関わったマイク・リーンダーは、ビートルズの「シーズ・リーヴィング・ホーム」のオーケストレーションも担当した人物です。

『パパ/ずれてるゥ!』は、コミカルな要素を織り交ぜながらも、家庭内での理解と若者たちの心情を鋭く描写し、現代にも通じるテーマを扱った重要な作品です。

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