パブリック・プレッシャー

パブリック・プレッシャー／公的抑圧

イエロー・マジック・オーケストラ（YMO）の初めてのライブアルバム『パブリック・プレッシャー』は、彼らの音楽の重要な瞬間を記録した作品です。本アルバムは、1979年のワールドツアー中に行われた四つの公演から選ばれたサウンドトラックです。収録された会場は、ロサンゼルスのグリーク・シアター、ロンドンのザ・ヴェニュー、ニューヨークのボトムライン、そして東京の中野サンプラザです。これらの公演は、YMOが国際舞台でその名を知らしめるきっかけとなった重要なライブでした。

アルバムタイトルの由来

『パブリック・プレッシャー』というタイトルは、クリス・モズデルにより提案されました。YMOがその影響力を増していく過程で、メンバーたちが感じていたプレッシャーを反映したものです。このタイトルは、グローバルな成功を目指す中での様々な葛藤を抱く彼らの姿を象徴しています。

ツアーの背景

1979年10月に行われた「トランス・アトランティック・ツアー」は、YMOにとって初めてのワールドツアーでした。このツアーの準備として行われたリハーサルは、箱根のロックウェルスタジオで行われ、重さ1.5トンの機材を使用しました。最初の公演はロンドンから始まり、その後パリ、アメリカ合衆国などを回りました。このツアーでは大きな観客動員を記録し、その様子はさまざまなメディアに取り上げられました。

録音の詳細

『パブリック・プレッシャー』に収録された音源は、ライブが行われた各地での演奏を基にしていますが、特にロンドンでのテイクが多く使用されています。ギタリストの渡辺香津美はツアーに参加していましたが、権利上の問題で彼のギターは収録に含まれず、代わりに坂本龍一のシンセサイザーで補完されました。これは、YMOの音楽スタイルに一貫性を持たせるための処置でした。

リリースとその反響

『パブリック・プレッシャー』は1980年2月21日にリリースされ、初回プレスは限定的な仕様が施されました。LPはオリコンチャートで最高1位を獲得し、YMOにとって初めての大ヒット作となりました。この成功は、YMOの人気が急速に高まる理由の一つとなりました。

音楽的評価

本アルバムは、ライターの田山三樹により、「新作のような充実感がある」と高く評価されました。また、音楽情報サイト『CDジャーナル』でも、そのパフォーマンスの熱さやダイナミックさが称賛されています。しかし、渡辺のギターがカットされた件については否定的な意見もあり、「本来の色が失われた」との指摘もありました。

収録曲

『パブリック・プレッシャー』のトラックリストには、アルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』からの「雷電」や「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」、さらには「コズミック・サーフィン」など、YMOの名曲が揃っています。これらの曲は、ライブパフォーマンスでの特別なアレンジが施されており、オリジナルとは異なる魅力を感じることができます。

結論

『パブリック・プレッシャー』は、YMOの音楽の多様性と革新性を象徴するアルバムであり、多くのファンにとってアイコニックな作品となっています。このアルバムからは、彼らの音楽がいかに時代を超えて影響力を持ち続けているかを実感できるのです。

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