ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー

アルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』の概要

YMO（イエロー・マジック・オーケストラ）のセカンドアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』は、1979年9月25日にリリースされ、瞬く間に大ヒットを記録しました。オリコンチャートで最高位1位を獲得し、日本国内での総売上は約102.1万枚に達しました。この作品は日本の音楽シーンにおけるテクノポップの基盤を築くものとして、多大な影響を与えました。

背景と制作

前作『イエロー・マジック・オーケストラ』がアメリカ市場に進出することになり、YMOのメンバーはその影響を受けてこのアルバムを制作しました。1979年の春から夏にかけて行われた様々な音楽活動やセッションを通じて、メンバーは自身の音楽性を確立していきました。このアルバムでは、初めてコンピュータによるオート・ミキシングが試みられましたが、当時の技術的な制約により、精度が低く録音に時間がかかったため、後の作品では手動のミックスに戻されました。

音楽性においては、フュージョンやディスコからの影響が薄れ、ニュー・ウェイヴの要素が強く現れました。細野晴臣は本アルバムを「メタ・ポップス」と定義し、音楽的実験を楽しみながら新たなスタイルを模索していました。

リリースと評価

このアルバムはアルファ[[レコード]]からLPとカセットテープの二形態でリリースされ、初回プレスのレコードはクリアーレコード仕様でした。その後も何度か再リリースを重ね、長い間音楽ファンに愛され続けています。1980年には日本レコード大賞の優秀アルバム賞を受賞し、多くの批評家から高く評価されました。音楽情報サイトでは、「テクノというキーワードを使ったポップな名作」と称されており、その革新性と大衆性を併せ持った内容が支持されています。

ツアーと影響

リリース後、YMOは『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』を引っ提げてワールド・ツアーを行い、全6都市でのパフォーマンスが成功裏に終了しました。このツアーでの様子は後にライブアルバム『パブリック・プレッシャー』として発表されるなど、YMOの名声をさらに高めました。アルバムはその後、多くのアーティストに影響を与え、特に「YMOチルドレン」と呼称される数々のミュージシャン達に新たなスタイルや発想を刺激しました。

収録曲

アルバムには、多彩な楽曲が収められています。代表曲には「テクノポリス」や、「ライディーン」があり、これらは今日でも多くの人に親しまれています。また、アルバムに収録された「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」は、「デジタル・パンク」と称されるエッジの効いたサウンドが特徴で、当時のYMOの先進的なサウンドを象徴しています。

結論

『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』は、YMOのキャリアにおいて重要な位置を占めているアルバムであり、その影響は未だに多くのアーティストに継承されています。音楽的な革新性と大衆性を兼ね備えたこの作品は、単なる商業的成功だけでなく、音楽ジャンルとしてのテクノポップの成立をもたらしました。

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