パブロ・リー

パブロ・リー、本名パブロ・「パシャ」・ロマーノヴィチ・リーは、1988年7月10日にクリミア半島のイェウパトーリヤで生まれました。父親は高麗人または韓国系のウクライナ人で、母親はウクライナ人でした。彼は、パブロ・リーやパシャ・リーという名前で知られていました。

俳優としての活動は多岐にわたり、ドムチャンネルのテレビ司会者を務めたほか、数多くの劇場やコマーシャルにも出演しました。映画では、『Штольня』（2006年）、『ファイナル・デッドサイン 死の刻印』（2013年）、『Правило бою』（2017年）、『Зустріч однокласників』（2019年）などに出演し、晩年にはTVシリーズ『Provincial』（2021年）でもその演技力を発揮しました。

また、声優としても才能を発揮し、『ライオン・キング』や『ホビット』のキャラクターのウクライナ語吹き替えを担当しました。さらに、『サウスパーク』のエリック・カートマン、『アメリカン・ダッド』のスティーブ・スミス、『ファミリー・ガイ』のグレン・クアグマイア、『名探偵ピカチュウ』のコダックなど、人気キャラクターのウクライナ語吹き替えも務め、幅広い世代から支持を得ました。

2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻が開始されると、パブロ・リーは直ちにウクライナ領土防衛隊に入隊し、祖国を守るために戦いました。彼は自身のInstagramアカウントを通じて、戦況やウクライナの強さを発信し続けました。しかし、3月6日、キーウ州のイルピン郊外での戦闘中、ロシア軍の砲撃により33歳という若さで戦死しました。彼の死はオデッサ国際映画祭で発表され、多くの人々に衝撃と悲しみを与えました。彼の遺体は、3月18日に母親が暮らすイヴァーノ＝フランキーウシク州のヴォロフタに埋葬されました。

パブロ・リーは、俳優、声優として数々の作品で才能を発揮し、ウクライナのエンターテイメント業界に大きく貢献しました。また、祖国が危機に瀕した際には、迷うことなく戦場に身を投じ、その勇気ある行動は多くの人々の心に深く刻まれました。彼の生涯は、芸術と愛国心、そして勇気と犠牲の精神を体現するものとして、今後も語り継がれていくでしょう。

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