パラグアイ共産党

パラグアイ共産党（Partido Comunista Paraguayo）は、1928年2月19日に設立された、パラグアイにおける共産主義政党です。コミンテルン（共産主義インターナショナル）の支部として承認された歴史を持ちます。

しかし、その道のりは平坦ではありませんでした。長きにわたる軍事政権時代には、激しい弾圧を受け、合法政党として活動できたのは、1936年と1946年から1947年までのごく短い期間のみでした。政治的な抑圧が厳しい時代が続いたのです。1989年にアルフレド・ストロエスネル政権が崩壊すると、パラグアイ共産党は再び合法政党としての地位を取り戻し、公然と活動できる環境が整いました。

党内では路線の違いから分裂も経験しています。1967年には、親中国派がパラグアイ共産党 (マルクス・レーニン主義派)を立ち上げ、独自の道を歩み始めました。イデオロギーの対立が組織の分裂を招いたと言えるでしょう。

2002年には、パラグアイ共産党は左翼連合(IU)の設立に参加し、左派勢力の結集を目指しましたが、2003年にはこの組織から脱退しました。選挙戦略や候補者選定を巡る意見の相違が、脱退の理由として挙げられています。ただし、党の一部であるMovimiento por la Recuperación Democrática del Partido Comunista Paraguayoは、その後もIUに留まり、内部から影響力を行使するという道を選択しました。組織としての結束を維持しながらも、多様なアプローチを模索する姿勢がうかがえます。

現在の書記長はナヘーブ・アマードが務めており（2007年～）、党の機関誌として「Adelante! (前進！)」を発行し、党の主張や政策を広報しています。

パラグアイ共産党は、その長い歴史の中で、政治的な迫害、組織の分裂、そして新たな連合への参加と離脱を経験してきました。激動の時代を生き抜き、現在もパラグアイの政治における重要な一翼を担っています。

参考資料：
* Antonio Bonzi: Proceso Historico del Partido Comunista Paraguayo

もう一度検索