パラダイス (戯曲)

舞台『パラダイス』の概要

『パラダイス』は、演出家の赤堀雅秋が作・演出を担当し、主演には人気俳優丸山隆平が起用された舞台作品です。初演は2020年に予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で上演が中止となり、2022年に再演されました。作品は、特殊詐欺をテーマにした物語で、赤堀と丸山の初タッグとしても注目を集めました。

2020年の初演予定

2020年版の『パラダイス』は、5月31日から7月13日にかけての期間に上演される予定でした。主演の丸山隆平は、赤堀の作品のファンであり、シアターコクーンでの初舞台出演を心待ちにしていました。作品のメインビジュアルやキャストの役柄ビジュアルが公開される中、突如として発表された中止。新型コロナの影響により、キャストたちは一度も顔を合わせることなく全公演が中止となり、丸山の夢も絶たれてしまいました。

2022年の再演

2022年9月25日から11月3日まで行われた再演では、初演の構想をベースにしつつ様々な変更が加えられました。赤堀は、コロナ禍の影響により世相が大きく変わったことを考慮し、脚本を見直す必要があるとの判断を下しました。再演では、主演の丸山やほとんどのキャストが続投し、新たに永田崇人が加わるなど、キャストにも新しい風が入りました。

脚本の難航とテーマ

脚本作りは困難を伴いました。赤堀は「コロナ禍の状況下、何を描くべきかを考え直す必要があった」と振り返ります。特殊詐欺グループに焦点を当てながらも、物語の中心には市井の人々の生活が描かれることとなりました。赤堀は、当初の脚本計画で「詐欺グループの被害者を描く」ことを念頭に置いていましたが、結果的に主人公・梶の関係性やその周囲の人々により深く迫る作品に進化しました。

あらすじ

舞台は東京・新宿の雑居ビル。特殊詐欺グループのリーダー、梶浩一は、仲間たちとともに新人教育を行っています。彼はuditのヤクザ・辺見豪に呼ばれ、実家を利用した組織の拡大を指示されます。久々に実家に帰った梶は、疎遠になった家族と再会し、彼らとの再会を通じて心境の変化を経験します。一方、詐欺グループの活動は思うように進まず、梶と辺見の関係もぎくしゃくしていく様子が描かれます。家族との関係の再構築が、彼にどのような影響を与えるのか、物語の焦点となります。

登場人物

• - 梶浩一（丸山隆平）: 特殊詐欺グループのリーダーで、実の家族とは疎遠になっている。
• - 辺見豪（八嶋智人）: 梶の上司で、詐欺グループの監視役。
• - 真鍋清（毎熊克哉）: 教育担当で、梶の信頼する腹心。
• - 小川美紀（坂井真紀）: 梶の姉。両親の世話をしながら生活している。
• - 中年男（赤堀雅秋）: 梶や家族との関わりを持つキャラクター。

まとめ

『パラダイス』は、コロナ禍の影響を受けたことで作品の内容やキャスト、テーマにおいて新たな展開を見せました。演出家と主演の初タッグによるストーリーは、観客に新たな視点を提供しており、舞台の力強さや人間関係の複雑さを描くことで多くの人々の心を捉えています。

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