パラノーマル・アクティビティ

『パラノーマル・アクティビティ』

『パラノーマル・アクティビティ』（原題: Paranormal Activity）は、2007年に公開されたアメリカのホラー映画であり、モキュメンタリーのスタイルを取り入れています。この映画は、実際の出来事に触発されたストーリーを基にしているものの、登場人物の設定や怪奇現象についてはフィクションの要素が加えられています。実際に起こった事例を描いた作品も存在します。

ストーリー概要

物語の中心は、サンディエゴに住む若いカップル、ミカとケイティです。ミカはデイトレーダーとして成功を収めているが、ケイティは大学生で、二人は豪邸に同棲しています。しかし、彼らの平穏な生活は、夜間に奇妙な音が響くようになったことで脅かされます。ミカは高性能のハンディカメラを購入し、家中に定点カメラを設置することに決めます。一方、ケイティは幼少期から不気味な存在を感じ取っており、ミカの行動に懸念を抱いていました。

ある日、ケイティの希望で霊の専門家を招くことになりますが、彼は悪魔の専門家に連絡を取ることを勧めます。教授によれば、悪魔が狙っているのはケイティであり、無理に交渉をしないようにとアドバイスを受けました。しかし、これを信じられないミカは、家の中の存在に挑発的な言動を続けます。

すると、怪奇現象は怒涛のようにエスカレートし、ケイティが夢遊病のような行動をする様子や、見えない力に引きずられる様子が描かれます。恐怖が増していく中、ミカは思い切って家を出る決断をしますが、その矢先に彼は強力な力に吹き飛ばされ、死んでしまうのです。一方、ケイティの姿も消えていきます。

製作の背景

この映画は、ゲームデザイナーのオーレン・ペリが監督し、脚本も彼が手掛けた自主製作映画です。製作費はわずか1万5千ドルという低予算で、全編を監督の自宅で7日間で撮影しました。編集作業もコンピュータで行われ、当時のキャストは無名でした。

公開と興行成績

『パラノーマル・アクティビティ』は、2007年のスクリームフェスト・ホラー映画祭や2008年のスラムダンス映画祭で上映され、2009年9月25日にパラマウント映画から公開されました。当初は12館での小規模な公開でしたが、口コミで話題が広がり、公開数が増加。最終的には1945館で上映され、公開5週目には週末興行収入で1位を獲得しました。その際、1館あたりの平均収入49,379ドルという記録を樹立し、これは『タイタニック』に次ぐ数字です。

評価と影響

この映画は、多くの批評家からの高評価を受けています。Rotten Tomatoesでは、179のレビューのうち82%が支持し、平均点は7.0を獲得しました。また、スティーヴン・スピルバーグが本作に感銘を受け、リメイク権を取得したものの、オリジナルの恐怖を再現するのは難しいと判断し、計画を断念したという逸話も存在します。しかし、エンディングはスピルバーグの提案で変更されました。

イタリアでは、本作のテレビCMを見た子供たちが恐怖でパニックを起こし、テレビ局に対するクレームが殺到する事態も発生しました。

続編の展開

映画の成功を受けて、パラマウント映画は続編を製作。トッド・ウィリアムズ監督による『パラノーマル・アクティビティ2』が2010年に公開され、こちらも興行成績が良好でした。また、日本でも独自の続編が製作され、その後も多くのスピンオフや続編が作成されています。特に『パラノーマル・アクティビティ3』や『パラノーマル・アクティビティ4』など、多様な展開でシリーズは進化を続けています。

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