パラマウント・ホーム・メディア・ディストリビューション

パラマウント ホームエンターテイメント

パラマウント ホームエンターテイメント（Paramount Home Entertainment、略称：PHE）は、世界的なメディア・エンターテイメント企業であるパラマウント・グローバルの主要な部門の一つであり、主に同社が所有する映像コンテンツのホームエンターテイメント事業を担っています。

事業概要

この部門の中心的な役割は、親会社であるパラマウント・ピクチャーズが製作・所有する膨大な映画ライブラリ、アカデミー賞®受賞作品を含む名作から最新作まで、またパラマウント・アニメーションが生み出した長編アニメーション作品、さらにパラマウント・グローバル傘下のテレビスタジオが手掛ける人気テレビシリーズなどを、DVDやBlu-ray Discといった物理的なメディア形式にパッケージ化し、世界中の市場に配給することです。劇場公開やデジタル配信とは異なる形で作品を展開することで、PHEは新たな収益機会を創出し、コンテンツの価値を最大化する重要な役割を担っています。

全世界を対象とした配給網を持ち、各地域の文化や言語に対応した製品を提供することで、幅広い視聴者層にパラマウント作品を届けています。物理メディアは、コレクターズアイテムとしての価値や、インターネット接続に依存しない視聴手段として、現在も一定の需要があります。

日本市場における展開

日本市場におけるパラマウント ホームエンターテイメントの活動は、近年、発売元の変更という大きな動きを迎えています。

これまでの日本国内における物理メディア（DVD、Blu-ray Discなど）の製造・販売・発売元は、長らくNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社が務めてきました。同社は、パラマウント作品の日本向けローカライズ（日本語吹替版や字幕版の制作）、パッケージデザイン、製造、プロモーション、そして国内の販売網への流通などを一手に担っていました。

しかし、2025年1月20日、NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンは、日本の大手エンターテイメントコンテンツ流通企業である株式会社ハピネット、具体的にはその子会社である株式会社ハピネット・メディアマーケティングとの間で、ビデオグラムに関する包括的なライセンス契約を締結したことを発表しました。この契約は、日本国内におけるビデオソフトの製造・販売事業に関するものです。

この新たな契約に基づき、2025年7月1日からは、NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンが引き続きビデオグラム化権の一部を保有する特定の作品を除き、パラマウント作品を含むビデオソフトの製造および販売事業が、段階的にハピネット・メディアマーケティングに移管される予定です。これは、日本国内におけるパラマウント作品の物理メディアの流通チャネルに大きな変化をもたらす出来事と言えます。

この発売元変更により、今後の製品ラインナップの展開方法や、販売戦略、さらには小売店における取り扱いなどに影響が生じる可能性があります。しかし、パラマウント ホームエンターテイメント自身が日本市場での事業を終了するわけではなく、あくまで国内における「製品の製造と販売を担当するパートナー」が、NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンからハピネット・メディアマーケティングへと引き継がれる形となります。この変更が、今後の日本国内でのパラマウント作品の物理メディア市場にどのような影響を与えるか、注目が集まっています。

総括すると、パラマウント ホームエンターテイメントは、グローバルな視野でパラマウントの映像資産をパッケージメディアとして展開する重要な部門であり、特に日本市場では、長年のパートナーから新たなパートナーへの事業移管という節目を迎えています。同部門の活動は、パラマウント・グローバルの収益構造を支える一角を担っています。

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