パラメーシュヴァラヴァルマン1世

パラメーシュヴァラヴァルマン1世の生涯と業績

パラメーシュヴァラヴァルマン1世（生年不詳 - 982年）は、チャンパ王国（現在のベトナム中部）の第7王朝における4代目の君主です。在位期間は972年から982年までであり、彼の治世はチャンパ王国と周辺地域との外交や軍事活動で知られています。

外交関係の構築

彼の治世は、まず外交活動から始まります。972年の4月27日、彼は宋の帝国に使者アブー・ハサンを送っており、これは彼の外交的アプローチの一環と考えられています。その後も973年、974年に再度宋に朝貢しており、これによってチャンパ王国と宋の関係を強化しようとした意図が見て取れます。976年にはさらに多くの使者を派遣し、越諾布、龍脳、雑香薬、丁香などを献じることで、交易促進にも力を入れていました。

972年から979年にかけて彼は、いくつかの重要な使者を宋に派遣し続け、特に979年12月23日には宋のために李木吒哆を使者として選んでいます。彼のこうした外交的な取り組みは、チャンパ王国を名声ある存在にするための努力と見なされます。

軍事活動と失敗

チャンパ王国の周辺では、丁朝大瞿越と著しい対立がありました。特に、呉日慶という人物が安南から逃れ、彼に保護を求めてきたことが契機となります。979年10月、丁部領の指導者が暗殺されると、パラメーシュヴァラヴァルマン1世はその機を捉えて呉日慶に軍を派遣し、大瞿越に攻撃を仕掛けることを決定します。彼は自らの部隊を指揮し、敵地に攻め入る計画を立てましたが、その進軍途中で暴風雨に遭遇し、軍が壊滅的な打撃を受けてしまいます。呉日慶もこの事件で命を落とすこととなり、戦局は大きく変わることになります。

終焉

その後、パラメーシュヴァラヴァルマン1世の導くチャンパは、大瞿越との関係が悪化します。982年、敵対関係が決定的になり、黎桓に率いる大瞿越軍が侵攻してきました。この戦争において、パラメーシュヴァラヴァルマン1世は戦死し、王都インドラプラも破壊されるという悲劇的な結果を招いてしまいました。彼の死は、チャンパ王国にとって大きな痛手であり、その後の国の動向にも影を落とすことになります。

影響と評価

パラメーシュヴァラヴァルマン1世の時代は、チャンパ王国の歴史において特に重要な時期と位置付けられています。彼の外交政策は後の時代における国際関係に多大な影響を与えましたが、その一方で、軍事的な失敗は国家の衰退を招く結果となりました。彼の理解しがたい態度や決断は、しばしば歴史家たちによって論じられ、その結果として現代にも多くの考察が残されています。要するに、パラメーシュヴァラヴァルマン1世はチャンパ王国の栄光と衰退の両方を象徴する存在と言えるでしょう。

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