パリメトロ2号線

パリメトロ2号線：パリの地下を巡る歴史と文化の旅

パリメトロ2号線は、フランス・パリのメトロ路線の一つであり、パリ交通公団が運営しています。パリ市西部のポルト・ドーフィヌ駅から東部のナシオン駅までを結び、パリの北半分を半環状に走る路線として知られています。その経路は、ほぼフェルミエ・ジェネローの城壁跡に沿っており、パリの歴史と深く関わっていることが分かります。

開業から現在まで

2号線は1900年に部分開業し、1903年には全線が開通しました。当初は現在の6号線の一部を含んだ路線名であり、現在の2号線部分は「2号北線」と呼ばれていました。2号南線の方が先に開業していたため、パリメトロにおいて3番目に古い路線と言えるでしょう。しかし、全線が開通した時期を考慮すると、現在の路線形態で最初に全通した路線は2号線ということになります。

2号線の大部分は地下を走っていますが、バルベス＝ロシュシュアール駅西方からコロネル・ファビアン駅北方までの約2kmは、道路の中央部に設けられた高架線となっています。この区間では、パリ北駅とパリ東駅からのフランス国鉄線、そしてサン・マルタン運河と交差します。建設当時は開削工法が主流であり、これらの下を潜るトンネルを掘る技術が未熟だったため、高架区間が設けられたのです。一方、サン・ラザール駅からの国鉄線と交差する箇所では、国鉄線が掘割状になっていることを利用し、道路の地下を通りながらも国鉄線の上を通るという工夫が凝らされています。

歴史：環状線計画から現在の路線へ

1898年のメトロ整備計画では、2号線はパリを一周する環状線として構想されていました。しかし、その後、1号線の計画変更に伴い、ポルト・ドーフィヌ駅からエトワール駅（現シャルル・ド・ゴール＝エトワール駅）間が2号線に編入され、環状運転は行われなくなりました。

建設は西側から始まり、1903年に2号北線の全線が開通しました。主な開業日は以下の通りです。

1900年12月13日：ポルト・ドーフィヌ - エトワール間開業
1903年1月31日：エトワール - バニョル（現アレクサンドル・デュマ駅）間開業
1903年4月2日：バニョル - ナシオン間開業（全線開通）

1903年8月10日には、電気回路の短絡による列車火災が発生し、84名の犠牲者を出しました。この悲劇はパリメトロの歴史に暗い影を落とす出来事となりました。

1907年10月14日、2号北線と2号南線が正式に分離され、現在の2号線となりました。

車両：MF 67とMF 2000

1979年以降、2号線ではMF 67型車両が使用されています。5両編成で、1、3、5両目が電動車です。全長は約90m、各車両に片側4つのドアがあり、通常時は車両間の乗客の移動はできません。

2007年からは新型のMF 2000型車両の試験運行が始まり、将来的にはMF 67を完全に置き換える予定です。

車両基地はナシオン駅の東、プティト・サンチュール沿いのシャロンヌにあります。かつては1号線と共用でしたが、1934年に1号線の延伸に伴い、2号線専用となりました。大規模な検査や改修作業は、7号線のショワシー車両基地で行われています。

駅一覧：歴史と文化に触れる駅巡り

2号線には、歴史的建造物や観光名所へのアクセスが良い駅が多く存在します。いくつかの代表的な駅を以下に紹介します。詳細な説明は割愛しますが、それぞれの駅にまつわる歴史や周辺環境を想像しながら、メトロの旅を計画してみてはいかがでしょうか。

ポルト・ドーフィヌ駅
ヴィクトル・ユゴー駅
シャルル・ド・ゴール＝エトワール駅
テルヌ駅
クールセル駅
モンソー駅
ヴィリエ駅
ローム駅
プラス・ド・クリシー駅
ブランシュ駅
ピガール駅
アンヴェール駅
バルベス＝ロシュシュアール駅
ラ・シャペル駅
スターリングラード駅
ジョレス駅
コロネル・ファビアン駅
ベルヴィル駅
クロンヌ駅
メニルモンタン駅
ペール・ラシェーズ駅
フィリップ・オーギュスト駅
アレクサンドル・デュマ駅
アヴロン駅
ナシオン駅

これらの駅は、それぞれに個性と歴史を持ち、パリの街の多様な側面を反映しています。2号線を利用して、これらの駅を巡り、パリの地下と地上、そして歴史と現在を繋ぐ旅をしてみてはいかがでしょうか。

もう一度検索