パリ・オペラ座バレエ学校

パリ・オペラ座バレエ学校：世界最高峰バレエダンサーへの登竜門

パリ・オペラ座バレエ学校（École de danse de l'Opéra national de Paris）は、1713年にルイ14世によって設立された、世界最古のバレエ団であるパリ・オペラ座バレエの附属養成機関です。3世紀以上にわたり、数々の名ダンサーを輩出し、現在では世界最高峰のバレエ学校の一つとして知られています。

入学と教育

入学は非常に狭き門であり、厳しい選考を通過した男女それぞれ数十名のみが入学を許可されます。入学後も、6つのディヴィジョンに分かれて段階的に訓練を受け、毎年行われる進級試験をクリアしなければなりません。試験に落第すると退学となるため、常に高いレベルを維持することが求められます。

教育は、クラシックバレエはもちろんのこと、キャラクターダンス、コンテンポラリーダンス、ジャズダンス、民族舞踊、バロックダンスなど、多岐にわたるダンスのジャンルを網羅しています。さらに、音楽、パントマイム、演劇、ダンス史、解剖学、体操など、ダンサーとしての素養を磨くための学際的なカリキュラムが組まれています。1995年以降は、バカロレア取得を目指す学科教育も必修となり、知性と教養を兼ね備えたダンサーの育成を目指しています。

キャンパス

創立当初はサン・ニケーズ街に校舎がありましたが、1875年にガルニエ宮（オペラ座）へ移転。1987年には、ナンテールのアンドレ・マルロー公園に隣接する独立したキャンパスに移りました。この新キャンパスは、著名な建築家クリスチャン・ド・ポルザンパルクによって設計され、最新の設備を備えた理想的な学習環境が提供されています。

パリ・オペラ座バレエへの道

パリ・オペラ座バレエでエトワールやプルミエ・ダンスーズといったトップダンサーを目指すには、パリ・オペラ座バレエ学校を卒業することがほぼ唯一の道です。実際に、この学校を卒業せずにエトワールになったのは、リュドミラ・パリエロただ一人という稀な例しかありません。

最終学年である第1ディヴィジョンを修了すると、パリ・オペラ座バレエ団への入団試験を受ける資格が得られます。合格すれば、バレエ団員としての第一歩を踏み出すことができます。入団後も、カドリーユ、コリフェ、プルミエ・ダンスール（男性）またはプルミエ・ダンスーズ（女性）、エトワールという階級を経て、頂点を目指します。

狭き門と将来

パリ・オペラ座バレエ団の団員数は約150名で、毎年数名のダンサーが入れ替わります。そのため、パリ・オペラ座バレエ学校を卒業しても、バレエ団に入団できるのはほんの一握りです。しかし、エリザベット・プラテル校長が述べているように、オペラ座バレエに入団できなかったとしても、学校で培った技術と知識は、他のバレエ団で活躍するための大きな糧となります。

教師陣

教師陣は、パリ・オペラ座バレエの元ダンサーで構成されており、長年の経験と実績に基づいた指導を受けることができます。ウィルフリード・ロモリ、キャロル・アルボ、ファニー・ガイダといった往年のスターダンサーも教鞭を執り、後進の育成に力を注いでいます。

イベント

毎年恒例のイベントとして、パリ・オペラ座バレエ・パレード、学校公演、デモンストレーション公演などが行われ、日頃の練習の成果を披露する機会が設けられています。また、海外のバレエ学校との交流も盛んに行われており、国際的な視野を広げることも可能です。

パリ・オペラ座バレエ学校は、世界最高峰のバレエダンサーを目指す若者たちにとって、夢と希望に満ちた場所です。厳しい訓練と選抜を乗り越え、世界に羽ばたくダンサーが、今日もこの学校から生まれています。

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