パリー・オブライエン

パリー・オブライエン（William Patrick "Parry" O'Brien, 1932年1月28日 - 2007年4月21日）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタモニカ出身の砲丸投選手です。彼は、1952年のヘルシンキオリンピックから1964年の東京オリンピックまで、4大会連続でオリンピックに出場し、その間に2つの金メダルと1つの銀メダルを獲得しました。彼の功績は、単にメダルの数に留まらず、砲丸投の技術革新に大きく貢献したことにあります。

オブライエンが考案した「オブライエン投法」は、投げる方向とは逆に背を向けた姿勢から、グライド動作を用いて勢いをつけて投げるという、当時としては画期的なものでした。この投法により、彼は1953年に初めて18mの壁を突破し、18.00mの世界新記録を樹立しました。その後も記録を更新し続け、1956年には19mも突破、1959年までに15回もの世界記録を達成しました。この投法は、その有効性から瞬く間に世界中に広まり、現在では回転投法と並び、砲丸投の標準的な投法として広く採用されています。

1959年には、その年の最も優秀なアマチュアスポーツ選手に贈られるジェームスサリバン賞を受賞しました。1964年の東京オリンピックでは、アメリカ選手団の旗手を務めるという栄誉にも浴しました。1966年に現役を引退しましたが、その後もスポーツへの情熱は衰えることなく、1990年代には水泳を始めました。しかし、2007年4月21日、マスターズ水泳の500ヤード自由形に出場中、心臓発作により75歳で生涯を閉じました。

パリー・オブライエンは、その革新的な投法と輝かしい実績により、砲丸投の歴史に名を刻む偉大な選手として、永く記憶されることでしょう。

主な成績
オリンピック
1952年 ヘルシンキオリンピック 金メダル
1956年 メルボルンオリンピック 金メダル
1960年 ローマオリンピック 銀メダル

外部リンク
パリー・オブライエン - Olympedia（英語）
USATF Hall of Fame
* パリー・オブライエンの訃報　（英語、ニューヨーク・タイムズ紙）

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