砲丸投

砲丸投の概要

砲丸投（ほうがんなげ）は、陸上競技における投てき種目の一つで、選手が砲丸をできるだけ遠くに投げる能力を競います。この競技は、特にフィールド競技にカテゴライズされます。正式な表記は「砲丸投」でありますが、一般的には「砲丸投げ」とも表記されることが多く、特にメディアや教育現場で見られます。

競技の規定

砲丸投では、使用する砲丸の重さは選手の性別と年齢によって異なります。選手は直径2.135メートルの円内から前方に投げることが求められ、その際に投てきの円内を中心とした特定の区域、すなわち34.92度の扇形の内側に砲丸が落下した場合だけ有効な試技とされます。この範囲外に落ちた場合はファール扱いとなり、記録は認められません。さらに、サークルの中心から派生した線の後ろから投てきしなければなりません。

投てき方法

砲丸は選手の肩の後方で保持することはできず、必ずあごや首の近くで固定し、片手で力強く押し出す形で投げられます。このため、野球のピッチャーの投げ方や、円盤投げのような方法では投てきできません。また、グリップを安定させるために炭酸マグネシウムを用いる選手もいます。

投法の種類

グライド投法

1950年代にアメリカのパリー・オブライエンによって考案された「グライド投法」は、選手が投てき方向に背を向けた姿勢から助走を開始し、後ろ向きに動きながら前方に半回転して砲丸を投げ出す方法です。この投法では体の力を長時間砲丸に伝えることができるため、1980年代までは世界的に広く用いられていました。この方法はまた、比較的習得しやすいため、現在でも多くの選手に支持されています。

回転投法

1970年代に注目を集めた「回転投法」は、ブライアン・オールドフィールドやアレクサンドル・バリシニコフの成功により普及しました。この方法では体重を片足からもう片方へと移して1回転半し、加速した状態で砲丸を投げ出します。技術的には複雑であるため、習得には時間がかかりますが、現在の大会ではほとんどの選手がこの技術を用いて競技に臨んでいます。

日本における砲丸投

国内では、日本の陸上競技における砲丸投はまだ国際レベルには達していないと言われています。1980年代にはすでに世界では20メートルを超えるジュニアの記録が存在することに対し、日本の選手は未だこの壁を越えることができていません。特に高校時代にはグライド投法が主流ですが、大学進学後に回転投法へ移行する選手が多くなっています。ただしその習得には多くの時間と努力が必要です。

砲丸の仕様

使用される砲丸の重さは年齢や性別によって異なり、一般男子は7.260kg、一般女子は4kgと定められています。中学・高校でもそれぞれ特定の重量が規定されており、選手はこの重さに応じて技術を磨いていきます。

起源と歴史

砲丸投の起源は古代の力比べにさかのぼります。重い物体を遠くに投げる競技は古くから行われており、近代的なルールが整ったのは19世紀のスコットランドの競技からです。この時期の試技は現在の円形サークルではなく、方形の囲いで行われていましたが、後に円形に変更されました。

結論

砲丸投は、選手に求められる技術や力が凝縮されたスポーツであり、多くの選手が自己の限界に挑戦し続けています。競技の制度や進化を理解することで、より深い観戦体験が得られることでしょう。

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