パリ造幣局

パリ造幣局（Monnaie de Paris）は、フランスにおけるユーロ硬貨の製造を担う国有企業であり、世界でも最古の連続稼働造幣局として知られています。その歴史は西暦864年にまで遡り、フランス国内でも特に古い行政機関の一つです。現在はパリとペサックの二か所で運営されており、それぞれが異なる役割を担っています。

歴史

パリ造幣局の起源は、西フランク王シャルル2世が864年6月25日に発布したピトル勅令にあります。この勅令によって設立された造幣局は、フランスの歴史において重要な役割を果たし続けてきました。当初は財務省の管轄下にある「通貨とメダル局」として機能していましたが、2007年に独立した法人格を取得し、より自律的な運営が可能となりました。

パリ造幣局の施設

パリの施設

パリ6区に位置する「Hôtel des Monnaies」は、18世紀に建てられた歴史的な建造物であり、現在はパリ造幣局の主要な施設の一つとなっています。最寄りの駅はパリ地下鉄7号線のポンヌフ駅で、アクセスも便利です。2011年から始まった大規模な改修プロジェクト「メタルモルフォーゼ」によって、2017年9月30日には敷地の80％が一般公開されるようになりました。この改修によって、施設は「Musée du 11 Conti」という複合施設に生まれ変わり、貨幣博物館として希少なメダルなどのコレクションを展示しているほか、イベント会場やレストランも併設されています。一般の観光客も歴史的な建物を見学できるだけでなく、貨幣やメダルに関する知識を深めることもできます。

ペサックの施設

ジロンド県ペサックにある施設は、主に偽造ユーロ硬貨の分析研究を行う機関として機能しています。この施設では、貨幣の偽造防止技術の研究や、偽造された硬貨の識別など、ユーロ硬貨の信頼性を守るための重要な役割を担っています。

造幣

パリ造幣局では、フランス国内で使用されるユーロ硬貨の製造だけでなく、タイやレバノンなど海外の硬貨製造も請け負っています。その高い技術力と長い歴史によって培われた信頼性は、世界各国からの硬貨製造の依頼につながっています。

その他の情報

パリ造幣局は、単なる貨幣製造機関としてだけでなく、フランスの歴史や文化を伝える重要な場所でもあります。特に、パリの施設は観光地としても人気があり、歴史的な建造物や貨幣コレクションを目当てに多くの人々が訪れています。

関連項目

fr:Ateliers monétaires français - フランスの造幣所に関する情報
レジオンドヌール勲章 - 受勲者はパリ造幣局が製造する徽章を自費で購入する必要があります。

外部リンク

* Monnaie de Paris - パリ造幣局の公式サイト

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