パルム (三条市)

パルムは、新潟県三条市にかつて存在した複合施設です。当初はパルム1・2・3の3棟で構成されていましたが、2010年にパルム1が解体されたため、現在は2棟となっています。この施設は、昭栄地区第一種市街地再開発事業として、1983年度から1987年度にかけて建設されました。

1988年のオープン当初は、ジャスコ三条昭栄店を核とする「パルム1」、高層住宅を核とする「パルム2」、立体駐車場を核とする「パルム3」という3館体制でした。三条市の中心市街地に位置し、多くの商店街が交わる場所に立地していたため、都市計画道路新保裏館線と一体となった事業として期待されていました。

しかし、都市計画道路の整備が遅れたことが原因で、期待されていた嵐南地区への商圏の拡大は実現しませんでした。2001年1月には、キーテナントであったジャスコが撤退し、その後は1階部分に食品スーパーのパワーズフジミやマルイなどが入店し、上層階には様々なテナントが入るという形になりました。しかし、2010年にはパルム1の全フロアが閉鎖され、建物は解体されました。跡地には第四銀行三条支店・三条東支店などがオープンしています。また、パルム1と2を結んでいたペデストリアンデッキも2015年に撤去されました。

パルム3の「パルムパーキング」（有料立体駐車場）は、運営会社が一時破産手続きを開始するなどしましたが、2020年現在では営業が続けられています。同年現在、パルム2の低層部やパルム3の外周部では、店舗などのテナントが入居し営業を行っています。

都市計画道路新保裏館線は、2016年までに三条北バイパスの接続部を除く大部分の区間が開通しました。

沿革

三条市の滝沢市長（1976年 - 1983年）が五大事業を打ち出し、そのひとつに「南北縦貫道路及び昭栄地区の市街地再開発事業」が含まれていました。

昭栄地区は、小売店を中心に店舗が集積する地区であり、1970年には約300mのオーバーアーケード「昭栄通りプロムナード」が整備されていました。再開発事業は、このアーケード商店街東部の一の木戸商店街に繋がっていた部分で行われました。事業に伴い、アーケード商店街は寸断され、西側の約100mのみを残す形となりましたが、この残された部分も2010年に解体され、市内から全蓋式アーケードは消滅しました。

交通アクセス

越後交通・新潟交通観光バス「神明町」バス停（県道331号沿い）より徒歩すぐ
北三条駅から徒歩約10分
東三条駅から徒歩約15分
三条駅から徒歩約15分

パルムは、地域の変化と都市開発の歴史を物語る複合施設でした。

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